[コメント] ミーン・ガールズ(2004/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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学園カーストの頂点に位置し「プラスティックス」と呼ばれる一握りの女性グループ。転校生のリンジー・ローハンはひょんなことからこの集団の末席に加わることに。初めこそ面白半分で構成員のひとりを演じていた彼女も、次第に権力闘争や他人との差異化ゲームに取り憑かれてゆき…。
設定や滑り出しこそ『ヘザース』あるいは『ハード・キャンディ』辺りを想起させますが、着地の仕方は現代の映画らしい修正が施されています。ここで語られるのは「負け組が勝ち組にコジコジカッター!いっちゃうぞバカヤロー!」といった単純な復讐譚ではなく、「対立の構図、負の連鎖を解消し共存の道を歩もう」という極めて今日的なテーゼです。学園映画というジャンルが一定の形式の中で洗練、進化を続けていることを改めて感じます。
こうした思想にはたいへん共感するのですが、単体の映画としては絶賛するまでには至らず。それと言うのも登場人物の心情の推移をほとんどモノローグで説明してしまうこと。主役のリンジー・ローハンがジラ太り過ぎであること。そしてこの作品は(言うても詮無いとは思いますが)どこまで行っても「女子とかつて女子であったひとびと」を対象としていることです。男子で出番があるのはせいぜい「狂言回しのゲイのデブちん」と「王子様役のイケメン君」ぐらいで、彼らはどちらも人格を備えていません。
もっとも、裏返しにすれば数多のボンクラ男子向け学園映画にも同様のことが言えるわけですが。この種の難点を解消した作品はわたくしが知る限り驚く程少なく、それこそ『恋のからさわぎ』ぐらいではないでしょうか。なのに何でDVD出てないの!というのは『ミーン・ガールズ』とは関係ない余談ですはい。
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