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[コメント] きみに読む物語(2004/米)

ジーナ・ローランズに会えて、こんな感激はありません。ありがとう!ジェームズ・ガーナーサム・シェパード!!
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







先日ラジオで、

「うちの87歳のおじいちゃんが卓球をやっていて、大会に出場したら二十歳の頃に付き合っていた女性と再会したんですって。67年ぶりの再会ですよ。そうしたら、おじいちゃん、新車を買ってデートするわ、もう見違えるように元気になって・・・」

というお便りが紹介されていました。

このドラマの台詞にも出てきますが、「永遠なんてないんだよ」という言葉の重みを、まわ私どもはわかっていなんでしょうね。

そしてこの映画のラスト。二人が永遠になるシーンですね。素晴らしい感動とときめきをありがとう!

監督はジーナ・ローランズジョン・カサヴェデスの息子ニック・カサヴェデス。見事な演出でした。(技量としてはボチボチといったところですが)

それでもこの映画で圧倒する自然の美しさ。

冒頭の夜明けのシーンでしょうか。真っ赤な空が美しい。絵に描いたような美しさ。主人公の女性が大好きだった絵画を思わせる風景。自然の中で繰り広げられる美しいラブストーリーに惹かれますね。

映画の中では二人の感情に合わせて風景が変わります。晴れた空、大雨の中のボート。ボートを囲む湖畔の白い鳥たちの姿はとても印象的で美しいシーンでしたね。

この美しさとドラマの美しさが認知症の彼女にわずかな記憶を取り戻させようとしますね。

認知症、老い、この未知なる世界を私たちは自分のことのように感じることができますね。素晴らしいドラマでした。

お話そのものも素晴らしいのですが、なんと言ってもジーナ・ローランズ。あの『グロリア』で見せた子供を守る母親のような強さと美しさ。あの強烈な印象が忘れられませんが30年近く経って、すっかり年老いた彼女の姿に涙が出ます。彼女の若かりし頃をジョーン・アレンが演じているのも良かった。印象が重なりますね。

そしてさらに年老いたジェームズ・ガーナー。全く印象が変わりませんが、70年代にテレビシリーズで「ロックフォードの事件メモ」というのを毎週欠かさず見ていましたが、とても懐かしく思いました。

サム・シェパードに再会できたのも感動です。『ライトスタッフ』や『パリ、テキサス』からは確かに歳を重ねましたが、こちらも印象が変わりません。田舎の父親役がとても似合っていましたね。

私も40歳半ばにして、結婚してから20年過ぎました。

妻を愛する、なーーんていう甘ったるい環境とは程遠い生活で、今や戦場のような我が家ですが、このドラマの先に見える現実に心が締め付けられる思いです。

生きるということの難しさ。愛することの尊さ。信念を貫くための障害など、あらゆる人間の感情が、この映画には込められているんですね。

2009/8/3

(評価:★3)

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