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[コメント] ステップ・イントゥ・リキッド(2003/米)

VGM的なモノを期待しているのなら、余りお勧めしない。これは”Surfin'=Life”と平然に言い切る者達の生き様である。話の構成がイマイチで、個々のエピソードを生かし切れていない気もしたが、大波を切り裂く凄まじいライディングには、文句のつけようが無かった。
Pino☆

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 コルテス・バンクの大波を攻めに行くところは特に凄かった。正直言って、クレイジーだね、こいつらは。

 その中でも、最高のクレイジー野郎は、映像に殆ど出てこなかった船のキャプテン(朝スケボーで現れたという22歳)かもしれない・・・。

 自分しか船を操縦するヤツがいないのに、真っ先にパドルで飛び込んで、しかも思いっきり大波に呑まれてちゃってる。もし、溺れちゃったら、本当に帰りは誰が運転するのかね?? まあ、そんなことは考えていないヤツだけが、”Surfin'=Life”と言えるのかもしれないが・・・。

 コルテス・バンクほどではなかったが、タンカーが作る波で延々とサーフィンをするテキサスのサーファーも、かなりのアホだ。楽しいのかどうかも分からなかったけど、あんな航路のど真ん中で、サーフィンして、危ないったらありゃしない。しかも、みんな良い歳したオヤジばかり。やっぱり、凄いね。アメリカのオヤジ・サーファーは。

 逆に感動的だったのは、アイルランドの子供達にサーフィンを教えるマロイ兄弟のエピソード。サーフィンを通して、宗教間の壁を解きほぐしていく様は、何だか嬉しくなった。同じ様に、ハワイで、ロブ・マチャドが下半身麻痺の青年を波に乗せるエピソードも感動的だった。

 ひとつひとつ内容を紹介するとキリが無くなってしまうが、ともかく、本作はサーフィンに関する面白いエピソードが盛り沢山の構成となっている。ただ、少し残念だったのは、エピソード間の繋がりが少し悪く、話に脈絡が無くなってしまっている点だ。それと、欲を言えば、結びが少し弱かったようにも思う。

 折角の”Surfin'=Life”という良いテーマがあるのだから、それをもう少し強調した流れを作ってくれれば、ドキュメンタリー的にも、優秀な作品になったような気がする。

 とは言え、大波に向かうライディング・シーンだけでも、充分観る価値はあります。ジェリー・ロペス、ケリー・スレーター、タジ・バロウなど、新旧のトッププロも出てるし、ホント凄い映像が盛り沢山でした。

(評価:★4)

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