[コメント] ミス・マープル 動く指(1985/英)
ジョーン・ヒクソンのミス・マープルは、エキセントリックなアンジェラ・ランズベリーのそれに比べ、上品さの中に知性と含蓄の深さがあり、もちろん素晴らしいのだが、それ以上に素敵なのがあの音楽だ。愛くるしいものに出会うと、私は、有形・無形に限らず、思わず後ろから抱きしめたくなる衝動に駆られる。
うらぶれた、閉鎖的な村。住人たちの姿もその例に漏れず、余所者には、余所余所しい。
店の前ではおばさんたちが臨時の井戸端会議を開いている。それは、ティーとケーキを伴ったものにまで発展するのであろうか。
その横を郵便局員が通りすぎていく。多くの人に朗報を、ある人には吉凶を。
誰もが顔見知り、誰もが仲良しのように見えて、各々の心の奥底にはドロドロとした感情で満たされている。澄んだ空気も、心までは浸透しない。
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ミス・マープル物の映像化でこれ以上のものは望むべくもない。
素敵な建物や素敵な庭や素敵な…を見ることだけで満足できるのだから。
密かにやってみたいこと…玄関で使用人に帽子を渡すこと。
吹き替え版観賞メモ;ミス・マープル(ジョーン・ヒクソン)=山岡久乃
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