もてない男性会社員の男が一目惚れの女性とのデートに奔走するラブ･コメ映画｡

恋愛映画として観ると主人公スタンリーとダイアンの初デートを話の軸として持ってきているが､この2人の間にホームレスの男フィルが割り込むので恋愛的なロマンチックなムードを期待すると拍子抜けな感じで少々物足りない｡

しかし､フィルがボンクラで冴えなかった主人公スタンリーを何とかダイアンと結び付けようとスタンリーに煩わしがられても影ながらサポートし､最後にはスタンリーがフィルの助力に助けられダイアンと結ばれるところはなかなかいい展開｡ラストでスタンリーがダイアンにフィルの力を借りていたことを告白するところも潔くて好感が持てる｡

展開的には､片思いの女性とのデートに奔走するスタンリーのエピソードとそのデートを出しに賭けをする友人のエピソードを交互に描いているので､せっかくスタンリーとダイアンがいいムードになるシーンを見せられても恋愛エピソードに水をさした感じになっているのが残念｡また､スタンリーのデートで賭けをした友人はどう見ても悪いのに最後に何の罰もないのもちょっと気になった｡

役者としてはスタンリー役ルーク･ウィルソンはボンクラでもてない男性を情けなさを上手く漂わせて好演している｡コメディ経験の少ないデニース･リチャーズもヒロイン､ダイアンを存在感たっぷりに魅力的に演じている｡『ドグマ』でも悪キャラを演じていたスタンリーの友人役のベン･アフレックの悪ノリ演技は今回も見事にはまっていて印象的｡

恋愛映画としては少々物足りない印象だが､冴えない男性社員の恋の奔走を描いた映画としてはまずまず楽しめる｡

ダイアンの元彼氏の役でマット･デイモンが出演している｡