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[コメント] 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964/英)

そりゃ笑えないさ。これはコメディでもジョークでもなく真実だから。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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事実と異なる点は、現在でも(かろうじて)人類が存続していることと、博士の名前くらいだ。 帰化した時に直訳したって?ストレンジラブだぜ。日本に帰化してたら「妙愛」さんかよ。元はどんな名前だったんだ?

第二次世界大戦終戦から18年後、東西冷戦&ベトナム戦争の真っ最中、加えてキューバ危機の翌年に制作された本作。当然40年代後半からアメリカに吹き荒れていた赤狩り(反共運動)に対する痛烈な皮肉もある。

水かどうかはともかく共産主義者が混ぜ物で思想侵略している!と本当に思ってたアメリカ人は大勢いた(今でもいるだろう)。アメリカ空軍がカウボーイ・ハットをかぶっているのは常識です(『地獄の黙示録』をご覧なさい)。アメリカはいつだって超鷹派、戦争したくて仕方がない。そしてイギリスはアメリカを抑制することが出来ずに振り回されるだけ。ソ連人は酔っぱらいのスパイ野郎でドイツ人はイカレ野郎で日本人は「いいカメラ(今なら電化製品や車)を作る」ブタ野郎(これでおフランス野郎がいたらパーフェクトだったんだが)。たった一人の行動で世界が滅ぶ危険性まで、ここに描かれているものは「40年後の今でもちっとも変わらん」全て真実なのです(というブラックジョークを言ってみる)。

キューブリックという人は、時代を切り取る眼も確かなら、それを普遍的なものに昇華させる才能もあったに違いない。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ゆーこ and One thing[*] chokobo[*] いくけん[*]

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