『ナイト･オブ･ザ･リビング･デッド』『ソンビ』に続くシリーズ3作目｡

今回は前作よりもドラマ性が強くなり､ゾンビとの共存の道を探す科学者のエピソード､ゾンビを怪物としか見ずに地下基地で独裁的な立場をとる軍人のエピソード､その両方で奔走する女性科学者の3つのエピソードが同時並行的に描かれている｡

ストーリーとしては､従来のゾンビ映画では倒す怪物としての存在でしかなかったゾンビと人間との共存という新しい要素を見せたりするなど､前作までとは違ったゾンビ映画を目指している点は評価できる｡ただ､前作までにあった客観的視点による演出ではなくなったため､前作までのようなリアリズムを求める人にはやや物足りないかもしれない｡

ただ､終盤の暗闇の洞窟から無尽蔵にゾンビが現れる中での戦闘シーンは前作同様に緊張感に優れていてなかなか楽しめる｡

役者としては女科学者サラを演じるロリ･カーディルは普段は気丈な女性なのに､仲間がゾンビに襲われ負傷した時に､怖気づいて初めて女性らしい面を見せるところは可愛らしくてよかった｡

映画としては前作のような社会的批判の込められたメッセージ性が弱いため､インパクトの点では前作よりも劣るが､戦闘シーンの演出､ドラマ演出などは悪くなくアクションホラー映画としてはなかなか楽しめる｡