精神病で幼稚化してしまった妹と暮らす男の映画｡

主人公モリーを演じるエリザベス･シューのコミカルなコメディ演技は素晴らしいという他ない｡特に精神年齢を大人に戻す実験をする前と後の演じわけでも､きちんとできているし､実験後もちゃんと実験前の幼稚さをさりげなく見せていて主役キャラとしての魅力を存分に味わえる｡海で兄と遊ぶところも無邪気で可愛かった｡助演でも､モリーの兄を演じるアーロン･エッカートの普通にかっこいいサラリーマンぶりはなかなか印象深い｡モリーの恋人役のトーマス･ジェーンのドジぶりも面白かった｡

ただ､ストーリー自体はモリーが実験にかけられ精神年齢が若返っても､ラストには再び元に戻るという展開では救いようがなさ過ぎるし､ストーリー自体も実験を行なったからといって､特に何もドラマもなく何を描きたかったのかがよくわからない｡

結局のところ､モリーのことを他人行儀にしか見れなかった､兄の心の成長的な部分を描きたかったのかなと言う気がする｡

ストーリー的にはいい映画ではないのだが､この映画のエリザベス･シューの演技には見るべきものがある｡彼女のファンならお勧め｡ルーシー･リューがチョイ役で出演｡