実際に起きた少年殺人事件を描いた映画｡

少年犯罪映画は多々あるが､この映画は実話を元にしている分､少年たちがいじめっ子だったボビーを殺すまでの展開に従来のものにはないリアリティがある｡ボビーに虐められていたマーティを助けたいからと言って恋人のリサが殺人を提案するのだが､マーティは最初は乗り気ではない感じだったのに､話だけは大きくなっていき､殺人に加わるヘザーの仲間たちもどこか遊び感覚で楽しんでいるところが怖い｡ラストでマーティたちがお互いに責任を擦り付け合っていて､全く反省の色もないところもすごい｡

ただ､リサの仲間が加わってからはボビーもマーティもエピソードからは外れている感じで､リサの仲間のアリとヘザーとドニーの無意味なエピソードが増えた気がする｡この映画はマーティがボビー殺しに迷う葛藤みたいなものが描かれているのだから､殺人を実行するまでの間もマーティの葛藤を描いて欲しかったところ｡それとボビーの観点も前半以降はなかった気がする｡

役者としてはマーティ役ブラッド･レンフロが今までの作品から見事にイメチェンを計り､セックスシーンやボビー殺害シーンの演技などは過去の作品とのギャップを感じてしまった｡

セックスシーンなど見た目は強烈だが､話自体は中盤から軸が変わってしまい､内容に乏しい感じを受けた｡