[コメント] 失踪(1993/米)
謎を解く為のヒントどころか、答えまで提示してくる丁寧な脚本…。しかし、それでいて気味の悪さや悲壮感というものを根底に留めているので結構な恐怖を味わえる。大切な人への想いが徐々に変化していくという心情の変化が、虚しくもリアルだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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オランダ映画『ザ・バニシング−消失−』のリメイク。監督自身が撮り直してるのは、アメリカ映画への期待か、それとも不満な点でもあったのか…。非常に気になるところだけれど、逆にこのリメイクを観てしまうとオリジナルを観たくなるであろう内容だったと思われる。
面白いのは犯人を序盤で提示しているところ。数多くの伏線を提供してくれるのだ。そして、ホワイダニット/ハウダニットとでも呼べるであろう「なんで?なぜ?どうやって?」が常に付きまとう展開になっている。また、主人公の3年という年月からくる生活観の変化や心情の変化など、欠かすことの出来ない要素がしっかりと描かれている点には好感が持てる。
ただ、難点なのは犯人だ。確かに、徐々にではあるが彼の心の内に秘めるPsycoな一面は掴み取れる。しかし、鑑賞して理解できるのは犯行の一部始終や家族への想いと自身への想い(二面性)に限られてしまう。そうではなくて、やはり、彼をそのように動かす「何か」が別の次元に存在するように思えて仕方が無いのだが…。
ラストの畳み掛けはアメリカ的な王道路線。登場人物からくるカタルシスは微塵にも感じられず…ただただ呆然とするだけ。とは言え、娯楽として観てしまうと「コーヒーは飲まないんだ」なんていう粋なセリフには結構やられちゃいますけどね(苦笑
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