一部サブカル分野で今、話題の「セカイ系」(と思って、このPOVを作っていると、あっという間に死語になってしまった)。キーワードは「セカイ」「ジカン」「ワタシ」「カンサツ」「閉塞」「シャカイ」「キョウカイ」「コドク」「ブンガク」「ネイチャー」「地方都市」「夕焼け」「鉄塔」「フミキリ」「海岸」「模型」「地図」「思春期の自己肥大」「(内)ウチュウ」「ヴィトゲンシュタイン」「デカルト」「荘子」あたりだろうか。思春期ドラマの畸形化とも発展系とも捕らえることができて興味深い。ミニマムで狭く閉じられた人間(関係)のみで模された「セカイ」。そのセカイへの(批判的な)作り手の自己言及が存在しないこと。Ａ：セカイ系映画、Ｂ：セカイ系人間が登場する(映画はセカイ系に肯定的)、Ｃ：セカイ系人間が登場する(映画はセカイ系に否定的)、Ｄ：カクメイ系(ハリボテセカイへ戦いを挑む人々)。

ＡとＢのキョウカイはヒジョウにアイマイ。 『トゥルーマン・ショー』『エドtv』『ファイト・クラブ』『CUBE』『ダーク・シティ』『鉄塔武蔵野線』『砂の上のロビンソン』、アメリカンニューシネマのいくつか、ウディ・アレンの諸作品、等の、作品の世界観への一種のアウトフレームが存在する作品は、分類に含まず。逆に、そもそもセカイが存在しない私小説的映画も含んでいません。結局のところ、セカイを模す時に、作り手に高いレベルでの社会的倫理、狂った感性がないと、傑作足りえないということかもしれない。もっとも、「社会倫理」なんて持ってる人間はこのような作品を作らないと思うけど。