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[POV: a Point of View]
脚本職人・橋本忍の技 厳選

伊丹万作に師事し姫路でサラリーマンをしながら手がけた『羅生門』でデビューし、黒澤明と共に世界に名をとどろかせ日本を代表する脚本家・橋本忍の代表作品の紹介。シナリオ作家協会編集の「年鑑代表シナリオ集」に掲載されている代表シナリオと私がお薦めする作品(仇討、霧の旗)。A、B、Cのレベルはシナリオの評価。
A★5砂の器(1974/日)原作の香りを失わずに原作をこえている!これは推理ドラマではない人間ドラマだ。 [review]投票(7)
A★5羅生門(1950/日)橋本忍デビュー作。橋本による前半のミステリー調の展開、主人公を主観的に描かず客観的に描き周りの証言により人物を浮かび上がらせる技法に感服。ラストはいかにも黒澤明投票(3)
A★5真昼の暗黒(1956/日)「八海事件」の映画化。映画では舞台は岡山県。結局冤罪事件となるのだが、現在の刑事訴訟法が改正される前の事件であり警察、検察の描き方に注目。 [review]投票(1)
A★5隠し砦の三悪人(1958/日)共同脚本家の菊島隆三の故郷の信州に隠し砦跡があったことから創作が始まったそうだけど、この脚本は共作じゃないと書けない。 [review]投票(2)
A★5七人の侍(1954/日)登場人物のそれぞれにドラマを持たせ、そして武士と村人の決して相交わることのない性格の差をラストで見事に描き上げた。投票(2)
A★5仇討(1964/日)[ネタバレ?(Y2:N2)] 橋本忍のオリジナル脚本。ラストの【中村錦之助】の発狂する演技は見応え十分。 [review]投票(2)
A★5切腹(1962/日)橋本忍を語る上で外せない作品。特にこのシナリオのポイントが原作の構成にはない井伊家覚書の中で津雲半四郎と斎藤勘解由の対立はナラタージュを効果的に用いた回想形式の中で生かされてることを見逃してはならない。 [review]投票(3)
A★5生きる(1952/日)脚本としての一番の構成のうまさがひかるシーンは渡辺のお通夜のシーンになって、後半は酒に酔った役所の部下達の回想という形からディスカッション・ドラマとなり、渡辺のその後の行動が描かれるというところだろう。投票(3)
A★4霧の旗(1965/日)[ネタバレ?(Y1:N2)] 隠れた傑作。非常に脚本もよくできていて、監督が山田洋次というのも驚きだろう。主人公桐子の歪んだ復讐劇。復讐心は理性や常識を越えてしまう。投票(1)
A★4張込み(1957/日)犯罪を日常性のなかでとらえた現実感がある。原作の短編に忠実だったら1時間で終わっただろう。橋本忍の脚本では女性に対する思いやりが見受けられる。投票(2)
A★4黒い画集 あるサラリーマンの証言(1960/日)人間のウソに人間のウソが復讐した。日常に潜む犯罪の黒い影を浮き彫りにした。橋本の腕力によりもうひとひねりしてミステリー的興趣を盛り上げている。投票
A★4白い巨塔(1966/日)最後の滝沢演じる船尾教授が証人に立つシーンは原作では違う教授だがあえて教授選に敗れた船尾をもってくるところに橋本忍のうまさを感じる。投票(6)
A★4日本のいちばん長い日(1967/日)東宝35周年記念作品。橋本&喜八コンビでは最もよくできている。ドキュメンタリー調の喜八監督の演出が冴える。 [review]投票(1)
A★4上意討ち 拝領妻始末(1967/日)仲代達矢演じる浅野帯刀は橋本忍が映画づくりの必要のため生んだ人物。テーマは『切腹』と同じように封建のしがらみに楯突いた武士の意志と行為が悲劇的に描かれている。投票(1)
A★4日本沈没(1973/日)ラスト地球のどこかの砂漠地帯を、日本の難民を満載した貨物列車が走り続けるシーンは戦慄的イメージがある。投票(4)
A★4八甲田山(1977/日)船頭多くして船山へ登る投票(1)
A★3風林火山(1969/日) 見所はこの豪華なキャストにつきるだろう。合戦シーンは黒澤が演出という話もあったそうだが・・。中村錦之助の信玄は納得だが裕次郎の謙信はなあ・・(笑)投票
A★3侍(1965/日)[ネタバレ?(Y2:N0)] 三船敏郎と松本幸四郎が親子というのはあまりにも違和感がありすぎる。そんなに歳離れてないだろう(笑)最後、桜田門外の変の殺陣はラグビーの試合観てるみたいだった。脚本は非常に面白い。投票(1)
A★0首(1968/日)
B★4悪い奴ほどよく眠る(1960/日)
この映画が好きな人達

このPOVを気に入った人達 (11 人)shaw AONI chokobo ジャイアント白田 マッツァ uyo Orpheus ゆーこ and One thing 町田 ペペロンチーノ 荒馬大介