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[POV: a Point of View]
時代の痕跡ーATG公開作品(80・90年代篇)

円熟。すなわち終焉。
E★3逆噴射家族(1984/日)社会というもはや実態把握が不能な抽象ではなく、自分が通過し、またこれから築くことになるかも知れない家族に向けられた当時28歳の石井聰亙と31歳の小林よしのりの過剰なまでの破壊意欲は同じように70年代の彷徨を生きた者には充分理解できた。投票
E★2蜜月(1984/日)母の入院や舞踏劇団のサイドストーリーが脚本的に未消化(たぶん立松和平の小説家視点のせい)なうえ、演出が紋切型(特に団員たちの日常)で古臭いので、本筋の哲明(佐藤浩市)とみつ子(中村久美)の孤立(蜜月の不安定さ)に呼応せず映画に厚みがない。投票(1)
F★4野ゆき山ゆき海べゆき(1986/日)朝、子供たちは魂を抜かれたように、互いに口もきかず整然と学校へ向かう。その異様さは、戦時下の全体主義教育の暗喩だろう。ところが、いったん大人の目を離れたとたん、たとえ大人の力ずくの支配という模倣から始まろうが、子供の思考は本能のままに飛翔する。 [review]投票
F★0君は裸足の神を見たか(1986/日)
G★3郷愁(1988/日)飾り気なく訥々と田舎の中学生を演じる西川弘志が良い。中島丈弘脚本らしく人物やエピソードもみな魅力的ではあるのだが、いかんせん映画的ケレンが足りず語が進むに連れてパワーダウンで焦点が散漫に。クライマックスが浮いては消化不良で感動できず。 [review]投票(1)
G★0砂の上のロビンソン(1989/日)
H★3墨東綺譚(1992/日)浮世に遊ぶ粋な反骨者でも、むっつりスケベの学者親爺でも、マザコンのインテリ逃避野郎でも、何でもいいから新藤兼人の考える荷風像とその世界が一向に見えず、終始津川雅彦が役者津川のままなので、風景は戦中色街なのに気分は場末の三流風俗街。投票(1)
この映画が好きな人達

このPOVを気に入った人達 (6 人)tredair 華崎 水那岐 ボイス母 町田 マッツァ