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[POV: a Point of View]
新世代フィルム・ノワール

かつての陰気な犯罪映画群「フィルム・ノワール」の影響を感じさせる近年の映画。ノワールの意味づけは人によって異なるでしょうが、とりあえず 1.犯罪を描いている、2.暗闇の映像を多用する、3.世界観が陰鬱で救いがない、4.ギャングやファム・ファタルが登場する、といったところでしょうか。基本的に1980年代以降。随時追加中。
A★5ブラッドシンプル(1985/米)郵便配達は二度ベルを鳴らす』のコーエン流変奏曲。シンプルな三角関係の殺意が「汚れた探偵」の介入でよじれまくる作劇の妙。投票(2)
A★5ミラーズ・クロッシング(1990/米)スタイリッシュで隙のない懐古調フィルム・ノワール。狡猾なのか天然なのか、何を考えているのかわからないニヒルな主人公像は、感傷を排するハメット流ハードボイルドの文法を忠実に再現している。投票(1)
A★4バーバー(2001/米)コーエン兄弟によるフィルム・ノワール講座。あまりにも模範的なので面白味は少ない気もするけれど、アメリカン・ドリームの敗残者と、ありふれた日常生活を踏み外したことから転がり落ちる深淵を、端正に描いた手並みには感心。 [review]投票(4)
A★3白いドレスの女(1981/米)
B★5ブルーベルベット(1986/米)これはデヴィッド・リンチ流のフィルム・ノワール論なのだと思う。白々しいほどまばゆい「郊外」と「学園」の平和な日常のすぐ隣に、「犯罪」「ギャング」「淫蕩な女」の禍々しく謎めいた闇の世界が口を開けている。投票(3)
B★4ブレードランナー(1982/米)
B★4バウンド(1996/米)
B★4L.A.コンフィデンシャル(1997/米)
B★313F(1999/独=米)
B★3アフターダーク(1990/米)
B★3蜘蛛女(1994/米)
B★3グリフターズ 詐欺師たち(1990/米)男は誰も信じられず、女はいつも相手を裏切る。いまさら撮らなくても……と思わなくもない古風なパルプ・ノワール。アンジェリカ・ヒューストンは「異様に若すぎる母親」に見えないので、原作の近親相姦的な歪みの説得力が薄れている。投票
B★0青いドレスの女(1995/米)
C★5レザボア・ドッグス(1992/米)時系列を錯綜させた犯罪映画のひとつの到達点でしょう。肝心の犯行場面を映さないまま、周辺の無駄な会話で映画を埋めつくす、軽やかな肩すかし感覚が絶妙。ただいくらなんでも流血させすぎのような。投票
C★4ワイルド・アット・ハート(1990/米)やたら安っぽい服装や音楽、そして陳腐な台詞の数々は、どうやら確信犯的な選択なのだろうとしか思えない。行きあたりばったりの逃避行は迷いのない卑俗を究めることで、逆に聖なる境地へたどりつきかけた……ような気がする。投票
C★3トレーニング・デイ(2001/米)現代版『黒い罠』のような人物配置は悪くないものの、結局煮え切らない勧善懲悪に落ち着いてしまうのは惜しい。デンゼル・ワシントンの「俺はこんなのもできるんだぜ」的な悪漢演技の披露会に終始したような。投票
C★3イギリスから来た男(1999/米)何ということのない筋書きでも凝った編集技巧で退屈させない。ただし時系列を並べかえたうえで「帰りの飛行機内」の場面を挿入する構成が、『スウィート・ヒアアフター』と似ているのが気になった。投票
C★3ロスト・ハイウェイ(1997/米)「悪夢」をそのまま映像化したような不条理さはこの監督らしい。ただ『ブルーベルベット』と人物配置がかぶりすぎなのはどうなのかなと。投票
C★3ユージュアル・サスペクツ(1995/米)
C★3セブン(1995/米)
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このPOVを気に入った人達 (3 人)AKINDO Kavalier 若尾好き