| ★5 | 日曜日のピュ(1992/スウェーデン＝デンマーク＝フィンランド＝アイスランド＝ノルウェー) | 1926年夏．スウェーデンの片田舎に暮らす８歳の少年ピュ．ある晩，ふと目を覚ましたピュは父と母の喧嘩を目撃してしまう．牧師である厳格な父の態度にひとり疑問を抱き悩むピュ．物語はそんなピュが初めて父と向き合ったある日の回想だ．淡々とした物語の背景として描かれる北欧の深い森，湖，たおやかな小川の流れ…これらの澄みきった風景は思わず溜息が出るほどの美しさ．さて，あれから40年の歳月が流れ，「ピュ」は年老いた父と再び向き合うことになるが…．
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| ★5 | 熱帯魚(1996/台湾) | 熱帯魚を愛する少年リョウ・ツーチャンは高校入試を控えた中学生．しかし受験勉強も上の空．空想にふけり，バス停で見かける少女に淡い恋心を抱く毎日．そんなある日，ひょんなことから顔見知りの少年と一緒に誘拐されてしまう．しかし誘拐犯のリーダーがいきなり事故死．残されたもう一人の犯人は困ったあげく，故郷である海辺の村に彼らを監禁する．ところがニュースでリョウ君が間近に受験を控えていることを知るや犯人とその叔母一家は総出で彼の受験勉強に協力．身代金目当てなのか，合格目当てなのか，何だかよくわからない(？)誘拐犯一家．人情味あふれる一家の期待を背にリョウ君は無事試験を受けることができるのか…． [more] | [投票(2)] |
| ★5 | 河(1951/米＝仏＝インド) | 物語の舞台はインド，ガンジスのほとり．遠い異国の地で暮らす賑やかな大家族．その中の国も肌の色も違う３姉妹．ある日，隣にやってきた若い大尉に惹かれていく彼女ら．甘くほろ苦いひとときの経験を経て大人へと成長する少女たち．何千年・何万年も前から人々の行いを眺め，蕩々と流れている「聖なる河」は，やはり彼女らのドラマをも悠久の時間の中へと溶かしてゆくのだ…． [more] | [投票(1)] |
| ★4 | レッズ(1981/米) | 第１次世界大戦を間近に迎えるアメリカ．女性としての自立を目指す文筆家のルイーズ（ダイアン・キートン）はジャーナリストのジョン・リード（ウォーレン・ベイティ）に出会い，心惹かれてゆく．互いに鉄鋼ストなど労働者運動にのめり込むが，意見が合わず二人の間には微妙な距離が．やがてリードはボルシェヴィキ運動に加わり，モスクワに渡るが，米政府から帰国を拒まれフィンランドで抑留されてしまう．意を決しリードを救うべく命懸けでロシアへと渡るルイーズであったが…．「世界を震撼させた十日間」の著者で，アメリカ共産党の創始者であるＪ.リードの半生を描いた大作．[195分] | [投票] |
| ★4 | のら猫の日記(1996/米) | 飲んだくれの母親が亡くなり，里子に出されていたローとマニー（本名はローレルとアマンダ）．姉のローは妹のマニーを里親のもとから連れ出し(誘拐？)，母の残した車で旅の生活を始める．宿はモデルハウスに空き家，買い物は…お金がないから万引き．だが姉のローは妊娠していてしかも臨月．「のら猫」よろしく気ままな生活を続ける彼女らもさすがに困って，ついに人の助けを借りることにしたのだが…．心温まる小粒なロードムービー．[97分] | [投票] |
| ★4 | ミスター＆ミセス・ブリッジ(1990/米) | 物語の時代背景は第２次世界大戦前あたり．ミスター＆ミセス・ブリッジは典型的なアメリカ上流家庭の夫婦．息子と２人の娘も大人になって巣立とうとしている．厳格な父と今時の子供たち．自分を犠牲にしてずっと夫に使えてきた妻．親子ということ，夫婦ということ．それぞれの葛藤．これから「老い」を迎えようとする夫婦の身に起こる出来事を，ただ淡々と語りゆく，とても静かな作品．[125分]
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| ★4 | 黄金の馬車(1953/仏＝伊) | 幕が上がり，舞台は始まる．時は18世紀，スペイン統治下のペルー．町は総督が特別に注文した黄金の馬車の到着に大騒ぎ．一方，同じ船でやって来たイタリアのコメディア・デラルテ(仮面劇)の一座．その花形女優であるカミッラに一目惚れしてしまう総督．ご執心の彼はカミッラに黄金の馬車を与える約束をしてしまう．これに怒った貴族達は彼を罷免しようとこれまた大騒ぎ．果たして二人の結末は？喜劇性と表裏をなす人間の悲哀を圧倒的な美しさのテクニカラーで表現．劇中劇の構造を巧みに利用した舞台構成は「人生」と「劇」について，少なからず考えさせる．[103分] | [投票] |
| ★4 | ミルドレッド 輝きの季節(1996/米＝仏) | 息子は結婚して独立，娘も突然家を飛び出し，一人になってしまった未亡人ミルドレッド．そんなある日，彼女は向かいに住む若い主婦モニカから息子のJJを預かってほしいと頼まれる．JJの父が日々モニカに暴力を振るっていたことを以前から知っていたミルドレッドは迷わず引き受けることに．すぐにJJそれにモニカとの出会いによって新しい日々が訪れるミルドレッド．しかし一方，シスコに住む息子夫婦から同居してほしいとの提案が．出会いと別れ，新たな旅立ちを静かに描くヒューマンドラマ．監督はインディペンデント映画の父ジョン・カサベテスの息子ニック・カサベテス．[110分] | [投票] |
| ★4 | バタアシ金魚(1990/日) | ちょっとトボけた高校生の花井カオル（筒井道隆）は，ある日プールサイドで水泳部員のソノコ（高岡早紀）に出会い一目惚れ．カナヅチにも関わらず彼女を追いかけ水泳部に入ったカオルはなぜか勝手にソノコと相思相愛だと思いこんだり，泳ぎで愛を示そうとしたり，とんちんかんなドタバタ劇を繰り広げる．松岡錠司が望月峰太郎の人気水泳漫画を「さわやかな青春映画」に仕立て上げた．ヨコハマ映画祭新人監督賞，報知映画賞新人賞受賞．ちなみに続編である「お茶の間」は成田昭司，渡辺まりな主演でドラマ化済み(NTV系)．原作はいずれも講談社刊． | [投票] |
| ★4 | リトル・チュン(1999/香港＝日) | １９９６年冬，香港．大スターであるブラザー・チュンにちなんで名付けられた少年・チュンは父の営む食堂の出前を手伝い，チップ稼ぎに余念がない．やがてチュン坊はファンという名の貧しい少女と出会い，二人でチップの山分けをし始める．もちろん父には内緒で．楽しい二人の関係だったが，実はファンには秘密があり平穏な日々は続かなかった…．様々な人種問題，そして何より間近に迫った中国本土への返還問題などが日常的な目線から描かれる．『メイド・イン・ホンコン』，『花火降る夏』に続くフルーツ・チャン監督の「香港返還３部作」の完結編． | [投票] |
| ★3 | 欲望の仮面(1999/ネパール＝日) | カトマンズに暮らすごく普通の夫婦であるディパクとサラスウォティ．２人の娘に恵まれているが，次こそ息子をと願う妻サラソティはトリプラ女神に願をかけ，ついに男の子を授かる．ところが息子は生後まもなく死んでしまい，妻サラスウォティも精神を病み床に伏せってしまう．苦しむ彼女は祈祷師ギタに救いを求める．しかし長年神に仕えてきたギタは一人の女として生身の愛を求めていた．やがて２人の女はディパクをめぐって激しい闘いを繰り広げることに．．．第３回ＮＨＫアジア・フィルム・フェスティバル参加作品． | [投票] |
| ★3 | 夢を追いかけて(1993/日) | 雑誌の編集社に勤める夕子(水沢螢)は，ある日学生時代に取材したイルカの研究者，晃二(塩野谷正幸)のことを思い出す．今は離ればなれの二人．彼女は出されぬままになっていた一枚の葉書を胸に，「彼」そして「もう一人の自分」をさがすため列車に乗った…．[47分] | [投票] |
| ★3 | ザ・カンヌ・プレイヤー(1995/米) | 舞台はカンヌ映画祭．セイモア・カッセル演じる有名Ｂ級プロデューサーのサイは，どんな人間でも映画祭のスターに仕立て上げられると友人に豪語し，賭に出る．たまたま映画界にあこがれてやって来た，元タクシー運転手の青年フランク(フランチェスコ・クイン)に白羽の矢が立ち，一躍１０年に一度の大脚本家ということにされてしまう．彼が引っ提げる作品の名は「カンヌ・マン」．気鋭の若手脚本家の噂はあっという間に広まり莫大な予算が転がりだすが，実際は脚本などただの１行も存在しない．噂の「カンヌ・マン」は幻で終わってしまうのか…．ショービズ界の裏側をドキュメンタリータッチで辛辣に描く異色作． [more] | [投票] |
| ★3 | 退屈なオリーブたち(1999/豪＝日) | ブリスベンの宅配ピザ屋で働く６人の若者の一夜の物語が，それぞれの視点からオムニバス形式で時間をさかのぼるように描かれる．ここに登場する若者は，単調な日常の繰り返しに退屈しきっているが，そこから抜け出そうとするひとすじの夢も決して捨ててはいない．オーストラリアの女流監督ベリンダ・チャイコの初の長編． | [投票] |
| ★3 | ＴＡＢＯＯ タブー(1998/米) | 物語はTVプロデューサーのフランク・ランジェラが癌の宣告を受けるところから始まる．それを契機に彼の家族に隠されていた事実が徐々に明らかになり．．．家族，友人らそれぞれが抱えている苦悩を静かな映像で描き出した人間ドラマ．デビッド・クローネンバーグ製作総指揮の下，ブルース・ワグナーが自らの原作を監督．ビデオのパッケージはサスペンスホラーっぽいが，内容は全く違うのでご注意を． | [投票] |
| ★3 | この生命〈いのち〉誰のもの(1981/米) | 彫刻家ハリスンは交通事故に遭い，一命を取り留めたものの四肢が麻痺してしまう．一日に４度の透析に完全介護．自分では何一つ出来ない彼は自分は死んだも同然だと考え，死を覚悟で退院を要求する．しかし病院側は患者を生かすのが使命だとしてこれに反対．結局ハリスンは「自由な死」を求めて裁判を起こす。ブライアン・クラークによる同名戯曲（河出書房新社1979）の映画化。 | [投票] |
| ★3 | アダム・サンドラーはビリー・マジソン／一日一善(1995/米) | 学校もホテル王の父の力で卒業させてもらったほど救いがたいバカ息子のビリー（アダム・サンドラー）．彼はあまりのアホさに当然ながら父から社長の座を譲ってもらうことが出来ない．しかしこのままでは悪徳マネージャーによってホテルを乗っ取られてしまう．一念発起！２７歳のビリーは社長の座をかけて小学校から高校まで一学年につき２週間というスピード卒業を自力でやりなおすと父に誓うが…．日本ではあまり知られていないが，アメリカではカルト的な人気を誇るアダム・サンドラーのハチャメチャコメディー． | [投票] |
| ★3 | ミッドナイトをぶっとばせ！(1988/米) | ウィンストン(キアヌ・リーヴス)は天文部の副部長をやっている冴えない高校生．ある夜，彼は見慣れない路地で目を覚ます．おや？ここは何処だ？…そういえば学校一の美女のタラ(ロリ・ローリン)とプロムのダンスパーティーに出掛けたはずだった．しかし彼女は見あたらない…．まずい！彼女のお父さんは頑固一徹の警察官．１２時までには送り届ける約束なのに．いったい何があったんだぁ！？[90分]
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| ★3 | 老人Ｚ(1991/日) | きたるべき高齢化社会に向け厚生省が打ち出した「Zプロジェクト」．それは最新のコンピュータを搭載した完全自動看護ベッドだ．ところがその１号機である"Z-001"は被験者の寝たきり老人をがんじがらめにして街を暴走し始めた．もの言えぬ老人を救うべく立ち上がるボランティアの看護学生・春子と老人ハッカー集団，厚生省のお役人，そして陰謀をたくらむ開発業者．壮絶な追跡劇の果てに老人の目に映ったものは…．大友克洋の得意技(？)とも言える老人問題をシニカル且つポジティブに描く現代社会における必見作！江口寿史の描くキュートなキャラクターも注目だ． | [投票] |
| ★3 | 東京ジョー(1949/米) | 1949年．大戦中，米空軍のパイロットとして活躍していたジョー（ハンフリー・ボガート）が８年ぶりに日本へ帰ってきた．ジョーは以前から日本を第２の故郷とすることを心に決めていたのだ．以前経営していた銀座二丁目のクラブ「Tokyo Joe's」を訪れた彼は，かつての相棒イトウ（テル・シマダ）と再会する．そこで死んでしまったと思っていた妻トリーナ（フローレンス・マーリー）が中野に住んでいることを知らされるジョー．しかし彼が日本を離れていた間に彼女はすでに別の人生を歩んでいた．また旧友のイトウの身にも変化が起きていた．政治的謀略をたくらむ元秘密警察のキムラ男爵（早川雪州）の手駒になっていたのだ．やがてジョーも男爵の巧みな陰謀に巻き込まれてゆく・・・・．戦後の東京を舞台にした異色ハリウッド作品． | [投票] |
