[あらすじ] 戦国自衛隊1549(2005/日)
映画を見終った人むけの解説です。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
半村良原作、79年のヒット作『戦国自衛隊』を、『ローレライ』『亡国のイージス』で今最も熱い作家福井晴敏がオリジナルヴァージョンとして書き下ろす。新生なった名作を、自衛隊始まって以来の全面協力で映画化した。
さて、2時間枠で駆け足だったため、理解の難しい部分もあったと思われるので、原作を読み解いての本作の補完を致します。
−−−−− 原作との違い(原作のネタバレもありますから注意して下さい。) −−−−−
●原作では第3特別実験中隊のタイムスリップは1999年。6年後の2005年にロメオ隊の救出作戦。
2年間よりは、6年間の間に鹿島の信長化、天母城があるという事が納得いくでしょう。
●原作でのタイムリミットは7日間。(いわゆるスリッピング・フィールドの揺れ戻し日数)
●羅漢兵が登場しない
羅漢兵とは一般人を薬漬けにする事で、意のままに動かせるように精神状態まで操れる兵。身体能力は通常の人間のそれを凌駕している。映画では登場しなかったが、「銃弾を浴びても死なない」兵に斉藤道三は首を傾げていた。当初、羅漢兵だからと思っていたが、どうやら防弾チョッキの事だった様だ。
●核兵器が登場しない
米軍が人工磁場の実験のために用意したブラックボックスが登場しなかった。結局それは核兵器だったのだが、原作では富士山の火山脈まであと皮一枚まで掘り進んでいた。この核を積んだミサイルが核の起爆がなかった為、小規模な火山活動が起きたため、天母城とその周辺だけが部分的に瓦解したに過ぎなかった。
−−−−− 映画の補完情報 −−−−−
●飯沼七兵衛(北村一輝)の信長化について
平成の世にしばらく滞在したので、近代的・革新的思考が後に信長になって生きる。
●濃姫ノータッチの理由
的場信長が道三の娘、濃姫にノータッチだったのは、原作では理由が語られている。的場が自分の血を引く者をこの世に残すと、時にはその私情によって判断に迷いが生じる事があるからというものだ。それは別にしても、綾瀬はるかちゃんと交わったなんて設定があったら許せませんよね。
●天母城の立地について
戦国時代としては、国を治める為の立地、交通の要衝、国の防衛などを鑑みれば、あんな富士の麓に城があるのは全くの無意味。この地に城を建てたのは富士の火山脈を刺激して、歴史の歯車を徹底的に狂わすのが目的。
福井晴敏氏にしてはさらっと読めてしまいますが、原作にこれ以上の肉付けがあったら、さらに映画の中身が凝縮されてまとまりが付かなかった事でしょう。寺田克也氏の挿絵が風情があります。横長で読みにくさはあるものの、4ポイント以上付けている方はご一読なさってもよろしいかと・・・。
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