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[あらすじ] 街の灯(1931/米)

街を歩いていたチャーリー(チャールズ・チャップリン)は、盲目の花売り娘(バージニア・チェリル)を見つけ、なけなしの金をはたいて花を買う。しかし彼女は目が見えないために、チャーリーを金持ちの紳士だと思い込んでしまうのだった。その夜、酔って川に飛び込もうとしている金持ち(ハリー・マイヤーズ)を助けたチャーリーは、手術を受ければ彼女は視力を取り戻せることをやがて知る。様々な仕事で金を稼ごうとしてうまくいかないチャーリーは、偶然この金持ちと再会し、彼から金を引き出すのに成功するが…。[87分/モノクロ/スタンダード]
Yasu

本作製作当時のハリウッドでは、1927年の『ジャズ・シンガー』の成功により、トーキーブームが起こっていた。このため、チャップリンは本作もサイレントで作るという当初の予定を修正し、トーキー(実際には音楽のみのサウンド版)に切り替えざるを得なくなった。

当初、酔っ払いの富豪役にはヘンリー・クライブというオーストラリア人俳優が当てられていた。徹夜で仕事をした翌朝、チャップリンはクライブに水の中に落ちるシーンをもう一度やろうと伝えたところ、自分の健康を心配したクライブは「水が冷たい」と言って断った。このためチャップリンはクライブをクビにし、ハリー・マイヤーズでほぼ最初から全て撮り直すことになった。

撮影も終わりに近付いたあたりで、チャップリンは主演女優のバージニア・チェリルに不満を持つようになった。ある日彼女が撮影に遅刻してきたのをきっかけに、チャップリンは一旦チェリルを役から降ろし、『黄金狂時代』のヒロインを務めたジョージア・ヘイルを代わりに起用したが、数シーンを撮った時点で、彼女で全てのシーンを撮り直せる予算はどうやっても出せないことに気付き、再びチェリルを呼び戻した。ちなみに復帰にあたってのチェリル側の条件は、100%のギャラ増額であった。

その後も、1929年8月にチャップリンの母・ハンナが死去するなど、撮影期間中に起きた様々な出来事がチャップリンを苦しめた。その結果、1928年3月から始まった撮影は実に約2年半もかかり、製作費は150万ドルを費やすことになったが、公開されると500万ドルの収益をあげるヒットとなった。

ちなみに本作で撮影されたフィルムの量は25万メートルに及ぶが、実際に使われたのは、その3%である。

(評価:★5)

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