「極私的六つ星映画」(立秋)の映画ファンのコメント
ゑぎのコメント |
気狂いピエロ(1965/仏) | 何よりも抜群に面白い。それは刺激の問題で説話の問題では無い。ラストに出てくる同じ歌が頭から離れない狂人がたまらなく好きだ。 | [投票(5)] | |
欲望の翼(1990/香港) | かつて見たときは良く云えばスタイリッシュな(悪く云えばキザったらしい)凝った映像に目を奪われたのだが、今見るとそれ程でもない。しかし静かな語り口の中に不意に焦燥感を爆発させるヒリヒリした演出は今でもしびれるし、「湿度のフィルムへの定着」は圧倒的だ。レスリー・チャンの失われた笑顔とカリ―ナ・ラウの脚の描写に感動する。 | [投票] | |
マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985/スウェーデン) | 見せないことで観客の心を揺すぶり、描かないことを崇高に昇華させる演出の際だった例。 [review] | [投票(13)] | |
アンダーグラウンド(1995/独=仏=ハンガリー) | ベオグラードを舞台とし約50年間の激動の時代が描かれる大作で、三章構成。第一章「戦争」、第二章「冷戦」そして第三章も再び「戦争」というサブタイトルが付けられている。 [review] | [投票(3)] | |
ミツバチのささやき(1972/スペイン) | 安易に使い古された言葉で、省略が抜群に巧い、などと云ってはいけないと自戒。アナのストッキングの色が変わるディゾルブで一日の経過を表現する作家の意識の中には省略という言葉は無いはずだ。そこには、これこそ必要十分なカットの構成である、という自信があるだけだ。これは映画のお手本である。世界一頭の良い演出である。最高。 | [投票(4)] | |
ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984/独=米) | 切り返しがいつでるか、と思いながら見ていたのだが、最後まで切り返しなし。そこがまたいい。このすれ違いが大好きだ。 | [投票(4)] | |
麦秋(1951/日) | 小津の中では『東京物語』と並ぶ完成度だろう。プロット構成や人物の深みの点でも画面のスペクタクルという点でも最も均整の取れた豊かな映画だ。 [review] | [投票(15)] | |
スモーク(1995/日=米) | ハーヴェイ・カイテルが、毎日、店(煙草屋)の前の定点から写真撮影をしてアルバムを作っている。店を閉めた後にやってきた客・ウィリアム・ハートにアルバムを見せる。休暇も取れないと云う。 [review] | [投票(1)] | |
さらば、わが愛 覇王別姫(1993/香港) | 非常にケレン味に溢れた演出。導入部から絶対の安心感だ。特に子供時代は素晴らしい。しかし、どうしてこんなにハリウッド映画みたい、なのだろう。ステディ・カムを多用しているからか?この映画のレベルなら、スピルバーグは作れないとしても、ロン・ハワードなら作れるだろう、と思ってしまう。 | [投票(2)] | |
ラストエンペラー(1987/英=中国=伊) | 現在考えうる最高の画面だ。勿論手放しで喜んでしまっているのではない。しかし、どんなに文句をつけようとこの演出力の前ではひれ伏してしまう。真に奇蹟的だ。断じてベルトルッチの失敗作ではない。こんなに魅力的な可愛らしい映画は無い。破綻なんて取るに足りない。 | [投票(8)] | |
ダウン・バイ・ロー(1986/独=米) | 私にとっても、目下のところジャームッシュの中で最も愛すべき作品がこれ。あの美しく滑やかな幸福感溢れるダンス・シーンだけで全てを赦してしまう。 [review] | [投票(3)] | |
萌の朱雀(1997/日) | 16ミリフィルムのブローアップの質感。家屋の中の、ゆったりとしたドリー移動。逆光。斜面に建った家。その家屋(居間)の中に置いたカメラから、縁側の向こうに緑の山を映した画面が美しい。 [review] | [投票(2)] | |
真夏の夜のジャズ(1959/米) | アメリカへの限りなき憧憬。実に見事な出来映えだ。観客達の表情をとらえただけのショットが、もう完璧に映画をスイングさせている。どうして私はアメリカ人に生まれなかったのだろうと思ってしまう。 | [投票(1)] |