★5 | 気狂いピエロ(1965/仏) | 人生を哲学的に思考するからだには、チンピラの格好や態度がいちばんふさわしい、ということを、目に見えるように示してくれた。でも、それを言葉にしようとすると、元も子もなく困難なんだけど(笑)。身も心も新しく目覚めるような気持ちになる映画です。 | [投票(3)] |
★4 | 欲望の翼(1990/香港) | こういう国境を越えたロマンスというか冒険というか逃避行というかイメージというか、そういう風に広がってゆく映画が、すごく気持ちよかった。とくにベランダに窓を開いた蒸し暑いホテルの部屋と、熱帯雨林のなかを走る列車の車内は、なぜか胸に刺さる。 | [投票] |
★5 | アンダーグラウンド(1995/独=仏=ハンガリー) | 笑っちゃぐらい何度も戦禍にまみれながらも、けちな悪党や女やその仲間が、阿呆のようにめげずに生きる。滑稽で悲しい。猥雑で優しい。凄惨で美しいこのカオスが、音楽、映像のリズム、人物の多彩さ、重層的な(つまり地上と地下と)展開など、すべての表現を一貫していて素晴らしい。 | [投票(6)] |
★5 | ノスタルジア(1983/伊) | すべてのシーンが懐かしい夢のようで、物語を忘れていつまでも観ていたいって思わせられる。壁と影とベッド、入り口、廊下、、階段、花、道とその先の我が家、煙突、背の高い樹、雲、街の広場、温泉、温泉に隠された底、燭台、湯気・・・。あー文字で書くと無意味で貧しいのに、その映像にはいっぱい何かが詰まっていて豊か。 | [投票(2)] |
★5 | ミツバチのささやき(1972/スペイン) | 子供が感じるもの、見えるもの、聞こえるもの、そして子供には感じも見えも聞こえもしないし、想像も予測もできないもので、すべての画面が出来ているのだろう。父の存在を中心に 大人はそこを訪れる他者としてかかれている。天才的。 | [投票(3)] |
★3 | ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984/独=米) | じつは、これが普通に面白い映画なのではないか、と思っている。週末とかに、ひとりでぽつんと見に行って、ふーん、俺も旅にでるかなー、なんて気分になって帰ってきて寝る、なんてのにちょうど良い。マイアミは私が言ったときも冷夏だった。 | [投票(5)] |
★3 | ワンダーランド駅で(1998/米) | ヨーロッパ映画とブラジル音楽が好き、なんて通俗的で、恥ずかしくて人には言えないプライベートな嗜好だとおもうけど(私はどっちも好きだけど・笑)、それを臆面もなく全面に押し出した映画。観てて切なくなるし、心地よいのだが・・・。A.C・ジョビンが「ボサノバにとってジャズは?」と聞かれて「ボサノバとジャズは関係ありません」と言ったことが思いだされる。 | [投票(1)] |
★4 | スモーク(1995/日=米) | 正直なのはちんぴらだけ。でも悪意だけど。あとは、じつに多彩な嘘。嘘についての映画ですね。ほとんど嘘の博覧会。でも、人生にはそれが必要なんですね。必要悪であり、かつ、人との間に必要に応じて距離=煙幕をおくもの。そういう嘘の象徴としてたばこや葉巻の煙があり、それが「許し」になってる。 | [投票(8)] |
★3 | ラストエンペラー(1987/英=中国=伊) | その壮大な映像で、紫禁城をとらえ、そのあと平民化した皇帝を、ドキュメンタリーぽく捉えたカメラは、好きだったけど、ベルトリッチは、なんでこの映画を撮ろうとおもったのかな。その動機が、ぜんぜん共感できない。 | [投票(1)] |
★5 | ツィゴイネルワイゼン(1980/日) | 初めてみたときは、半年ぐらい夢遊病になって、幸せだった。解釈するのがもったいないほどの夢かうつつかうつつか夢か。ひっそりと、何度も何度も見続けたいです。 | [投票(1)] |