「ジャン・リュック・ゴダール」(システム既定POV)の映画ファンのコメント
火口のふたり(2019/日) |
「ふたり」である。“ふたりだけ”の映画なのにそこに逼塞を覚えないのは、演者の明朗もあろうが、むしろ「行間を読ませる」よりは行そのものを直截に読ませるような奇妙なダイアログの即物性にあるのではないか。下世話なまで社会的、時代的に阿る台詞も“ふたりだけ”の間に浮き彫りになることで「イメージ」としての即物性を帯びる。「火口」の小噺の一躍の飛躍も共に「イメージ」としての通底性あらばこそ。〔3.5〕 (鷂) | [投票(2)] | |
この映画、切り返しが少ない。実は、前半は切り返しをあまり意識せずに見ていたので、はっきりしないのだが、柄本佑と瀧内公美の二人しか出ない映画であるにも関わらず、少なくも、ラーメン屋のシーンあたりから、会話シーン等で切り返さない。 [review] (ゑぎ) | [投票(4)] | |
不義に対し自制する2人の細やかな心理駆け引きと抑圧されたオーガズムへの衝動が堰を切って炸裂する納得のダイナミズム。過去の挿話の断片が現在を侵食するロマンティシズムも泣けるのだが情緒は抑制。衒いなく正確なSEX表現が粉飾の時代に屹立している。 (けにろん) | [投票(2)] |