★3 | 長谷川博己視点でのみ構成された爆撃機のシークエンスには往年の輝きが一瞬だけ戻ってきている。たとえ『回路』や『MI3』からの引用であろうとも、説明なしに爆撃機が建物を越えて飛来してくる「唐突さ」こそが感動的だ。その直後の機体が反転する際の禍々しさにも畏怖を覚える。 (赤い戦車) | [投票(1)] |
★3 | 言語の本質を前提した「概念奪取」という言語的段取にしかならないアトラクションは非映画的だが、こと「愛」という抽象を前にしたとき空転せざるを得ない認識がむしろ「愛」の観念的絶対性を際立たせてしまう、その逆説が作劇を意外に収斂させる。いわば言語の唯物論的抽象性が事象そのものの認識になりかわる。「愛」こそすべて(!)。 (鷂) | [投票(3)] |
★3 | 金魚すくい。金魚の水袋を持った女子高生の後ろ姿。赤色のイメージの連鎖。戸建ての家の植木が風で揺れる。この冒頭のホラーテイストいいですね。本作の恒松祐里、出色の出来でしょう。 [review] (ゑぎ) | [投票(3)] |
★2 | 柄になく「愛」をやろうとし案の定スベッた。宇宙人侵略という大状況を設定したが出涸しギミックを弄し箱庭に収縮した大昔の自主映画めく。妻は夫を2度失う。1度目で喪失した愛は2度目で回復したらしいが認知症介護で情が湧いた程度レベル。虚ろな全肯定。 (けにろん) | [投票(3)] |
★3 | アクションが撮れない黒沢清。そこで生じている出来事を、死せる眼=カメラで捉える即物性に徹するでもなく、積極的に出来事へと接近していくでもない、生温いカメラにイラつく。全体的に、なにかそうした不完全燃焼感が支配。 [review] (煽尼采) | [投票(2)] |