★4 | 日常の反復から細部の差異を抜き出してくる視点は、作中引用される「詩」を書く際の視点とも共通している。当たり前のように思える日常の繰り返しを、別の視点から新しく捉え直し、見方によってはこんな魅力もあるのだと提示する。歌が2シーンも入るのは嬉しい驚き。 (赤い戦車) | [投票(1)] |
★4 | バスの車窓。敢えてゲームに譬えれば、世界(観)の広さ深さを覚えさせる細部と日常的活動の反復と蓄積により成立するオープンワールドRPG。切り裂かれた詩集。つながれた犬。詩作(思索)の人はその世界の破綻の予感に心密かに戦慄しながらまた同時にそれに期待するかの如く、「魚」が「豚」に堕し兼ねない際と淵をへ巡り歩く。詩人による詩人の映画。 (鷂) | [投票(4)] |
★5 | なんて幸福な映画だろう。例えば、パターソン−アダム・ドライヴァーの詩作とその朗読の画面で、妻ローラ−ゴルシフテ・ファラハニが、ディゾルブでいちいち映る演出に感動する。こんなに愛情が画面から溢れてくる映画は他に思いつかない。
[review] (ゑぎ) | [投票(8)] |
★5 | 反復の快楽リズムが行き届く世界で豊潤なギミックが悉く効き粋そのものだが、本質は時代に迎合しないということ。日々移ろう空気や光や行き交う人々を総体として心から愛でる能動意思。虚構世界の中にしかアイデンティティを見出だせぬ時代へのアンチテーゼ。 (けにろん) | [投票(6)] |