★4 | 画面は澄み切っていて爽やかなのに、どこかシュールで歪な世界観。モノクロ時代のギラギラ感は完全に消え、気恥ずかしいまでの愚直さが前面に出ているが、それはそれで本作の味にもなっていると思う。村瀬幸子の静かだが鬼気迫る存在感も特筆すべき。 (太陽と戦慄) | [投票(2)] |
★3 | 学芸会のような演技にいちいちずっこけてしまうのだが、数多いメタファーの連続は中々読み解き甲斐がある。つまり絵にそれだけの力がある、ということなのだが・・・さすがにこの演技を90分観続けるのは苦行だ。 [review] (赤い戦車) | [投票(3)] |
★4 | 将来再評価されるに違いない力を持った映画。「惜しむらくはこれが遺作であれば...」と云われるようになるだろう。この映画はラストシーンのシュールさに尽きるのだが、しかし描きこみの不足があっても中盤までだって悪くない。家屋と人物の出入りのコントロール、望遠レンズでのダイナミックな画角等、黒澤らしさを堪能することができる。 (ゑぎ) | [投票(6)] |
★5 | 黒澤の周回遅れの幼児性と残存した先鋭の切れ味が錯綜して化学反応でも起こしかねない予兆がある。意図したズレでなく真剣に撮ってズレており予定調和的でない。蟻と薔薇や老婆の対峙や過剰な風雨などの前衛を差し挟む児童映画的な真夏の草いきれの静謐。 (けにろん) | [投票(1)] |
★2 | 道場六三郎が作ったボンカレーみたい。何となく有難い気がする半面、彼にそんなものを作らせてどうするんだという虚しさ。子供たちの、道徳の教科書に出てきそうなお利口さん振りや、人物の類型性が、下手という以上に不気味にさえ感じられる。 [review] (煽尼采) | [投票(4)] |