「ヒッチコック」(システム既定POV)の映画ファンのコメント
煽尼采のコメント |
泥棒成金(1955/米) | 画が鮮やかとはいえ絵葉書的な鮮やかさに過ぎず、視覚的な楽しみは花火くらい。ケイリー・グラントとグレース・ケリーはやはり「美男美女」という記号に過ぎず、その記号を活かした、機知に富んだ仕掛けがあるわけでもない。 [review] | [投票] | |
知りすぎていた男(1956/米) | ヒッチコック先生の今回の実験テーマは「音響性と空間性」。「声」と「音」の作劇術。先生のドライな作劇に感情のリアリティを添えるのは数少ない女性陣。 [review] | [投票(1)] | |
ダイヤルMを廻せ!(1954/米) | この、数学的なまでの完成度は、激しい場面にすら静的な印象を植えつけるので、緊張感に欠けた俳優の顔の退屈さに災いされて睡魔に誘われる。それはともかく、この作品は、脚本が鍵→ [review] | [投票(1)] | |
間違えられた男(1956/米) | Wrong――「間違い」、「不正」、「陥れる」。 [review] | [投票(2)] | |
めまい(1958/米) | 渦巻きの反復、緑の反復、「高さ」の反復。更には「反復」それ自体。ラブ・ストーリーとサスペンスの完璧な結合。 [review] | [投票(3)] | |
鳥(1963/米) | 鳥が理由も無く襲いかかる恐怖だけを純粋に描いた作品、という印象は意外にも、再見して覆った。画と音だけで演出された純粋映画といったイメージは、半ばは真実だろうが、半ばは伝説。鳥の登場までの焦らしシーンが、心理劇としての『鳥』を構成する。 [review] | [投票(5)] | |
サイコ(1960/米) | プレ『鳥』としての『サイコ』。「人間」の殺害としての映画。 [review] | [投票(3)] | |
疑惑の影(1943/米) | 書割のような「平均的アメリカ人家庭」という背景の中の一つの駒として以上の演出が施されないジョゼフ・コットンの勿体なさ。二人の「チャーリー」の対比も機能しきれず、仕掛けが仕掛けとしての人工性の域を出ない退屈。最悪な音楽。 [review] | [投票] | |
海外特派員(1940/英) | 場所を次々と移しつつ、惜しげもなく披露される視覚的なアイデア。反面、恰も早周り観光旅行の如く、見所を効率よく見せることに特化した皮相さ。功罪併せて実にヒッチ風。彼らしいモチーフも数々登場。 [review] | [投票(1)] | |
ロープ(1948/米) | 全篇をワンカット――に「見える」ように撮っていると聞いていたので、二箇所、さり気なくかつ堂々とカットを割っていたのが、却って大胆、新鮮に見えてしまう奇妙。実時間的な流れが活きた場面があるだけに、窓外の風景の変化で時間を省略したのが残念。 [review] | [投票(2)] |