★4 | アレクサンドル・ソクーロフ式スラップスティック・コメディ。敢えて文学の話をすれば、印象はゲーテというよりもカフカに近い。「執拗なつきまとい」も「取っ組み合い」も優れてカフカ的モティーフで、きわめて明晰な各瞬間の描写がいつの間にか常人の理解を越えた論理展開を示している点もカフカ的だ。 [review] (3819695) | [投票(3)] |
★4 | 考えたらそんなに見ているわけではないソクーロフ。でも『太陽』の神とも思える俯瞰視、『レーニンの肖像』の雄大なゆったり映像、どちらも映画史に残る傑作であった。そして今回はあの歴史上でも名作と名高い「ファウスト博士」。 [review] (セント) | [投票(3)] |
★3 | 原形を留めないくらい改変しておきながら、しっかり『ファウスト』として成立してるのはゲーテの偉大さかソクーロフが凄いのか。1度鑑賞しただけでは全体を把握しきれないが暫定的に4点で。現在「ソクーロフとの対話」を読んでるので書き直すかも。 (赤い戦車) | [投票] |
★4 | 高利貸しの性器やその妻の衣装や助手の人工生命等、彼岸との境界を融解するミクロなギミックは刺激的ではあるが、鳥瞰的視座はCG含め大味。ただ、聖処女の金色の毛に被れた恥丘の美しさは紛れも無い真実で、それがファウストの揺らぎの物語を担保している。 (けにろん) | [投票(1)] |