★3 | 故郷(1937/日) | 夏川静江の抗弁の弱さが致命的(も少し云うことあるだろうに)だが白熱する愁嘆場はみせる。藤間房子のおっ母さんが立派だ。カット割りは流麗で巧みなもの。 [review] | [投票] |
★3 | 手をつなぐ子等(1947/日) | 当時の知的障碍児の置かれた境遇を記録した序盤が重要なのだろう。物語は佐藤紅緑風の喧嘩して友達みたいな学園ドラマで凡。山金君が中山君から主役を奪っちゃうのも喰い足りない。次作のほうが断然優れている。 [review] | [投票] |
★4 | 無法松の一生(1943/日) | 松が一度だけ泣いたという回想の後、ぼんぼんが松に向ける共感の眼差しが、何とも云えぬほどいい。共感は美しい。 | [投票(3)] |
★3 | 赤西蠣太(1936/日) | 按摩のアンコウの件は面白いが、総じてよくあるユーモア映画の失敗作のように移り気で散漫、千恵蔵の造形も魅力が薄い。洒脱なハリウッド文法輸入の歴史的価値を除けば、いま読んでも新しい原作と比較にならない。志賀直哉は喜んだらしいが。 | [投票(1)] |
★4 | 巨人伝(1938/日) | 画期的なほど無茶苦茶な収束で、冒頭に名作の映画化なんて弱った、みたいな断り書きが入り、何のことかと思っていたが、この収束のことなんだろう。云いたいことの云えない時代の洒落のめした悲鳴なんだろう。 [review] | [投票] |
★2 | 新しき土(1937/日=独) | 妙竹林なりに「神道」「日本」「天皇家」を言葉で表そうとする姿勢はさすがヒトラー謁見用の大日本帝國定義集。ラストは酷いが他はいろいろ興味深い。風呂敷抱いて火山突撃の原節子に対し小杉勇はなぜか『銭ゲバ』の唐十郎に激似。 [review] | [投票] |
★5 | 国士無双(1932/日) | 断片だが残された脚本も含め、間違いなくモダニズムの大傑作。「ゲバゲバ90分」以降のバラエティの元祖であり、しかもシニカルが時代風刺として効いているのが素晴らしい。 [review] | [投票] |
★4 | 俺は用心棒(1950/日) | 二刀流で手旗信号する知恵蔵と高下駄の月形の珍道中に女スリ岸旗江が絡む滅法面白い時代喜劇。将棋の駒が子供になり猫が活躍する伊丹万作印。ダンセイニの翻案で、印籠を一両で買う冒頭などが欠落している由。 | [投票] |