★3 | 群青の夜の羽毛布(2002/日) | 群青色に統一された色調が、この映画をうまくまとめあげていると感じた。どこかけだるさを伴う本上まなみは独特の存在感で魅せてくれる。わざとしているのだろうけど、家の暗さといったら電気ちゃんとつけてよっていうくらい暗い。藤真利子の存在感もなかなか強烈だ。地味すぎる映画だが、独特の質感が感じられ、ある意味貴重な邦画かもしれない。 | [投票] |
★4 | 船を降りたら彼女の島(2002/日) | 長い題名からして、惹かれるものがあり、なかなか良い。磯村一路の映画は、のどかな風景と、ゆったりした人々の営みが実によく似合う。『がんばっていきまっしょい』で、この間の長さには、慣れているので、今回はじっくりと作品に浸れた。肩肘張らずに、ごくありふれた日常を、瀬戸内海の静かな波間に重ねるかのように、丁寧にすくいとった佳作。木村佳乃のややぎこちなさも、大杉漣の熟練の演技で、うまく覆われた。 | [投票(1)] |
★4 | がんばっていきまっしょい(1998/日) | 傑作、との前評判を聞いていたので、あの何ともいえない間のあるゆったりしたテンポに、初めは正直なところ戸惑ったが、慣れれば心地いい。おいしいものをゆっくりと噛み締めて味わうような作品だ。出演者たちが全く気負いなく素で演じているのがいいのだろう。 | [投票(10)] |