★5 | 白夜(2009/日) | 発想の発端はブレッソンであったにせよ、正反なグダグダで饒舌なダイアローグ劇。しかし、それを完璧にこなす主役2人に瞠目した。緊密なサスペンスが持続する果てに男と女の関係は所詮はロジカルには帰結し得ないという諦念。妥協なき真理の呈示。 | [投票(2)] |
★3 | コンフィデンスマンJP ロマンス編(2019/日) | カモる仕掛けがまずあって逆算構築された前半2/3のドラマはどうでもいいよな小ネタをまぶしてダルく救いようがない。本質ダウナー系と思われるまさみの躁芝居が板についてないのも痛々しさを煽る。ではあるが根が善人な俺はまんまと騙されましたっす。 | [投票] |
★4 | キリエのうた(2023/日) | 時間軸の往還と空間の跳躍を縦横に操る岩井のストーリーテラーとしての本分が想像以上に結実。その中で純な魂がクソに塗れていき、打算的な狡さは取り返しつかない悔恨をもたらす。その70年代的な生理の傍でアイナは80年代的に再生を果たすのだ。 | [投票] |
★3 | 草原の椅子(2013/日) | 巧く廻らない人生に於いて、今一度、人間関係を形式から整えることでリスタートしてみればという提言であり、夫婦と親子と友人が新たに形成されるのだが、今の時代、この衒いの無さは寧ろ有りではと思わせる。肯定的で前向き。パキスタンは方便に過ぎないが。 | [投票] |
★3 | 死刑台のエレベーター(2010/日) | 唐突にキレた状況から物語に差し込まれる玉山の描写。その脚色の冴えは買うし又絡む景子ちゃんも超ノーブル。問題は吉瀬のパートで、1夜の不安と焦燥と嫉妬の彷徨芝居はジャズ抜き外タレ加味で学芸会風味に堕した。『白夜』の狂気をこそと思う。 | [投票(5)] |
★3 | 蘇える金狼(1998/日) | 低予算を逆手に取ったような侘びしくも暗い情念が相当に良い味わい。大風呂敷を広げる前にその余地もなかった箱庭世界で充足している。だが、時代に即応しようとしたシステム攻略になると馬脚を現し低予算のショボさが際立ってしまった。ローテクでいいのに。 | [投票] |