飯村雅彦の映画ファンのコメント
ぽんしゅうのコメント |
トラック野郎・突撃一番星(1978/日) | あどけない原田美枝子が時おり見せる蓮っ葉で投げやりなしぐさ、元祖泣き芸人せんだみつお絶頂期のドタバタぶり、とことんブス道を行く樹木希林の不気味な女気、果敢に二枚目に挑む川谷拓三、そして亜湖のオッパイ。嗚呼、70年代末期の邦画。 | [投票(2)] | |
白い手(1990/日) | 大人の視点が抜けきらない子供の話しは奇麗なだけで心には響かない。劇中、先生が生徒の作文を「大変良く書けているが、少々自分に都合良く書きすぎているところが欠点です」と批評するセリフがあるが、この言葉がそのままこの作品にも当てはまる。 | [投票] | |
二百三高地(1980/日) | 難攻不落を強調するために、丘に這いつくばり傷ついていく兵士の大群が繰り返し、しかも延々と描かれるわけだが、サスペンスはゼロで時間の無駄。あおい輝彦ら兵士の逸話も通俗。乃木(仲代達矢)と児玉(丹波哲郎)の葛藤劇に多少の魅力があるだけ。 | [投票] | |
天国の駅(1984/日) | かよ(吉永小百合)をどこまでサディスティックに汚せるかがカギのはずだが、小百合バリアの前に中村、三浦、津川の卑屈さやずるさが自己完結してしまい、女囚の諦観と覚悟が絵空ごとに見える。足りないのは予定調和でなく不協和音としての美を覚醒する覚悟。 | [投票(1)] | |
大日本帝国(1982/日) | マクロな戦況は比較的冷静に描かれるのだが、一転、視線が市井の人々へ向かうと映画が止めどなく感情に流され始める。笠原和夫の脚本は、それなりに乾いているのに舛田利雄の演出があまりにウエットなのだ。理性的な抑制なしに、人の真の悲しみなど描けない。 | [投票(1)] | |
トラック野郎・爆走一番星(1975/日) | 金造(愛川欽也)とボルサリーノ2(田中邦衛)、さらに二人への警官(なべおさみ)のからみと女運転手(加茂さくら)など、脚本段階では繊細に描かれていて筋の出来が実に良い。それを、徹底的に無視する鈴木則文演出は別の意味で凄い。 | [投票] | |
トラック野郎・男一匹桃次郎(1977/日) | どうせメチャクチャなら、それを通し抜けばよいものを、終盤の若山富三郎と浜木綿子のクソ真面目振りがしらける。今、見るとデビュー時の夏目雅子が大して美しくなかったことが衝撃的。伝説は伝説のまま、そっとしておけば良かったと後悔するのだ。 | [投票] | |
トラック野郎・望郷一番星(1976/日) | 子供連れで風俗という発想自体凄いが、それを堂々と画にしてしまう鈴木則文の尋常ならざる感覚に脱帽。ケバい浴室に裸の子供と女たちが納まるシーンはシュール。一転、ボロ吊り橋は『恐怖の報酬』の緊張感。どうにも島田陽子の臭さが我慢できず1点減点。 | [投票(3)] | |
日本侠客伝 花と龍(1969/日) | 前半の高倉、二谷、星がからむ沖中士時代の恋の鞘当ては、マキノらしい群像劇の勢いもあって楽しめるのだが、後半の組がらみ抗争パートは「成りゆきのあや」に緻密さがなく葛藤が生まれない。取って付けたような役回りのお京(藤)は星由里子の前でかすむ。 | [投票(1)] | |
トラック野郎 度胸一番星(1977/日) | 桃さん(文太)と譲治(千葉)の対決は迫力充分、その上女の情念の物語。幽霊のエピソードがこんな伏線になっているとは。娼婦マヤ(夏樹陽子)の一途さに胸揺すられ、教師水名子(片平なぎさ)のはかなさに愕然とする。野上龍雄脚本の勝利。 | [投票(2)] | |
新幹線大爆破(1975/日) | 納得できる背景と人物。必然性のある言動と展開。説得力のあるアイディアと突発事象。それらを緩急をつけながら積み重ねる技量と心意気。そして充分な上映時間が与えられたとき、あるスケール感を持った犯罪エンターテインメントが成立するという好事例作品。 [review] | [投票(3)] | |
昭和残侠伝 破れ傘(1972/日) | 女への思いを引きずる秀次郎(高倉)に女々しさが漂い、前半の重吉(池部)との確執も形式的で淡白な分、クライマックスの高揚感が今ひとつ。上昇志向が強く、一見計算高そうに見えて、実は義理人情に厚く女房思いの寺津親分(安藤昇)の人間臭さが憎めない。 | [投票(1)] | |
冷飯とおさんとちゃん(1965/日) | 三つの話でタイプの違うキャラクターを演じ分ける中村錦之助の独壇場。作品としては「冷飯」のあっけらかんとした明るさと怪談話にも見えなくない「おさん」の湿気が愛情物語の裏表として対をなしていて面白い。「ちゃん」はいらない。 | [投票] |