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[コメント] フォードvsフェラーリ(2019/米)

21世紀も20年経った今、これほど時代遅れな男の子映画はいかがなものか、という気持ちはさておき好き。大好き。『紅の豚』であり、泉優二の小説「チャンピオン・ライダー」であり。動力機械好きやレース好きにはたまらない。2時間半という長さを感じさせない編集も素晴らしい。
月魚

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







クリスチャン・ベール演じるケン・マイルズが息子に向かって理想のラップを語るシーンや、ルマンで爆音の中にいるのに静けさに包まれるシーンで涙が止まらなかった。わかる人にはわかるし、わからない人にはわからないのかもしれないけれど。 おそらくそれは、最後にマイルズが死亡したことを言葉で表現しない(たぶんdeadとかgoneとかはひと言もいってない)というのもそうですが、「台詞で説明しない」ことを貫いた演出ともつながっていて、『マッドマックス/怒りのデス・ロード』やNetflix、HBO等の課金系チャンネルが作り上げてきた「観客の知性と感性を信じる映像作り」に連なるものかもしれません。

ってなこととは関係無くジョン・バーンサル演じるリー・アイアコッカがフェラーリのレース部門に足を踏み入れるシーンでP330の美しさには打ちのめされました。彼我の差をまざまざと見せつけるシーンでもあり、なんというか「わかってらっしゃる」感。

そしてマイルズの息子ピーターを演じたノア・ジュープの演技力!

<おまけ> 後にフォードの社長に就任したリー・アイアコッカはフォード2世に「俺、お前のこと嫌いなんだよね」と言われてクビになり、クライスラーの社長に納まって同社の再建を果たします。どうでもいい豆知識ですが。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] ペペロンチーノ[*]

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