[コメント] スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け(2019/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
『最後のジェダイ』と同じ「ポストイットに書き出した思いつきエピソードを脈絡なく並べたので、訪れる惑星の順番を変えても結論にはまるで影響しない」とか「頭の悪い単線RPGの様に、どこかを訪れると次のクエストが提示される」という流れが冒頭2/3まで続きます。辛い。 あんなにグダグダだったのだから、今回の終盤近くでXウイングが海から浮かんでくるあたりまでを「最後のジェダイ」で描ききれば、どちらもずいぶん違う映画になってただろうってのが、返す返すも残念。そもそもルーカスは手を引いてんだから、父子ネタとかうんざりだし。
さらに言うなら何かの焼き直し的なシーンが多いのもいかがなものか。砂漠のチェイスシーンやレイに語りかけてくる声とかは『マッドマックス/怒りのデス・ロード』だし、銀河皇帝を「夜の王」とすれば湧き出るスターデストロイヤー群はゾンビで、つまりは「ゲーム・オブ・スローンズ」。
他にも、唐突なセリフでいろんな状況を一気に説明しちゃったり、銀河皇帝もレイも異世界転生レベルのチート能力を裏付けなく発揮したりと、脚本の頭の悪さがあちこちで存分に発揮されてました。なので、ねぇ、最後にレイが名乗ったところで、もうすっかり飽き飽き疲れ果てたこちらとしては「はぁ、そうですか」という感想しかでてこないのですよ。
結局、「最後のジェダイ」の尻ぬぐいに終始しただけで、『フォースの覚醒』で広げた風呂敷を畳めなかったってことなんでしょう。そもそもJ・J・エイブラムスはテレビシリーズのLOSTの時から、畳むのが苦手な人だったんだよなあ。『スター・トレック』みたいに一話完結の緩やかな続き物としてやればうまくいったのかもだ。 というか、私がスター・ウォーズに求めるものが大河ドラマではなくて毎回1977年の『スター・ウォーズ』のような、楽しくてワクワクする映画の連作だったのだ。そういう意味では「帝国の逆襲」以来、ずーっとないものねだりをしていたのかもしれない。すまぬ、ルーカス。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (4 人) | [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。