最終的に謎が解けない映画は好きではないが，CUBE では解決される必要がなかった．誰が何の為に企み，どのようにして行ったかなどどうでもいい．大切なのは，認識不可能な状況に置かれた人間の行動そのものだった．しかし極限状態に陥った人間は，なんと脆いのだろう．人間が作り出したどんな物より，人間自身が恐ろしいことを再確認した．そしてその恐怖を，あんな小さな密室だけで描き切るのはすごいと思う．同時に，良い映画とは，必ずしもお金をかけることではないと感じさせられた．