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[コメント] ステレオフューチャー(2000/日)

LOVE & PIECE ! and Ecology
FRAGILE

 予告編では4つのエピソードが交錯することがアピールされていて、果たして理解できるかなといった挑戦的なメッセージが込められていたため、かなりの覚悟で臨んだが、結果それほどでもなかった。

 売れない役者(永瀬正敏)とその彼との別れのショックで言葉を失った女性(桃生亜希子)の話が交互に描かれている。舞台が2002年という割にはかなりテクノにとんがった店や部屋が描かれること、それから売れない役者が時代劇に出演していることからシーンだけ切り出してみると粗筋を把握しにくい。そうした若干設定が分かりにくい面があるものの、エピソードとしてはごくオーソドックス。あまり先入観を持たない方が楽しめるだろう。

 桃生演じる女性とその姉(緒川たまき)のエピソードの中心はエコロジー。近未来の2002年という時代設定の中でより深刻に環境についての話が出てくる。桃生もそうした流れで自然の緑に癒されていく。エコロジーというと、ある種宗教と同様の面があって意見の押し付け、悪くすると洗脳になってしまいがち。その意味ではこの作品での扱われ方はぎりぎり許容範囲のレベルにある。エコロジーっていいなあ、と思うかどうかは観る側次第だろう。

 その他では同監督の前作品を観て期待する人も多いだろうが、売れない役者が出演している時代劇には前作を連想させるシーンやキャストが配置されていて笑わせてくれる。深刻なエコロジーとの対比として肩の力を抜いて笑えるシーンがあるのはホッとさせる。  同様に脇には竹中直人シティーボーイズ吹越満ピエール瀧など笑えるキャラクターは満載。意外なキャラクターが潜んでいるのを見つけるのも一興。  個人的には久々に永瀬正敏の普通の演技に星一つ。永瀬のラブシーンは子犬がじゃれているような接し方が心地よい。そこに惹かれる女性ファンには満足できるシーンが満載。

(評価:★4)

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