[コメント] X-MEN:ダーク・フェニックス(2019/米)
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この映画、はっきり言って雑。かなりの部分をシリーズのファンの脳内補完に頼っている。ちゃんと描こうよそこは、という場面が序盤からどんどん登場してくる。
そのうち今作はそういうものなのかと受け入れて、いい方にいい方に補正をかけて観ていたけど、終わってみればやっぱり雑だったと思います。
例えば初めの方にレイブンの死という衝撃的な出来事があるのだけれど、何だか劇中ではさほど衝撃的でないような雰囲気。そんなバカな。
一応ハンクとエリックが悲しんでいたとはいえ、あれ?チャールズは?と思いました。ハンクとエリックにはないレイブンとの絆がチャールズにはあったはずなのに、あんまり興味なさげなその態度…。「昔ここで出会ったんだ…」と言わせてはいたものの、取ってつけた感が否めません。
突然宇宙人がやってきて、X-MENは再び人間に敵視され…っていう展開も粗く、「ファンはもう分かってるからいいよね?」という作り手の声が聞こえてきそう。いや確かに分かってるんだけど、もうちょっと何かこうね、その辺はちゃんと感情移入させてくれたのが俺たちのX-MENだったじゃないかと思いました。
それらをほぼすっ飛ばして描かれる、柱となるジーン救出ストーリー、王道すぎます。最後だからあえて?かどうか知らないけど、脇目も振らず一直線。ここでもX-MENらしいためらいや葛藤はサラッと示されるだけ。良くない意味での直球映画だった気がします。
ラストの空飛ぶフェニックスもね、かなりダサかったです。
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ここまで、不満点。
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それでも、燃えました。
人間のヘリをぶっ潰そうと暴走するジーンに立ちはだかるエリック。
エリックが全身全霊で止めようとする。あのエリックが。これまでの歴史が頭に蘇りました。並のX-MENなら全く歯が立たないであろうところを、ものすごい形相で踏ん張るエリックの姿に胸が締め付けられました。ファスベンダーさんも凄まじい演技。エリックに敵うものか!すげぇ!頑張れ!と年甲斐もなく映画館の座席で息を止めて手に汗握っていたのは内緒。
そんなシーンや、さっき王道すぎると批判したものの、やっぱりX-MEN総力結集の必殺技バトルは燃えました。
ここも主にエリックなんですが、地下鉄掘り起こすとか相変わらずの独創性を発揮していて素晴らしい。
最後だからサービスのつもりだったのか、みんな大活躍でしたね。
単純に楽しかったです。
でもこの辺を観ていて、「あぁ、終わりなのか…」と思いました。ここらが潮時なのかと思わせる最後のバトルシーンに、寂しい気持ちがこみ上げました。
ファンの頭の中では新たなストーリーが始まっているはずですが、個人的にはまたキティ(エレン・ペイジ)に活躍してもらって、レイブンとジーンを死なせないように何とかしてもらいたいです。
このメンバーでのX-MENは、本当に良かったですねぇ…。
★3.5
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