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[コメント] ソーシャル・ネットワーク(2010/米)

嫉妬をモチベーションに変えながら走りまくる天才の成功とその犠牲。音楽と展開のテンポが最高に良い。20110123
しど

世界最年少の億万長者といわれる青年は、ハーバード大学の頭脳明晰なコンピュータオタク。しかし、良く動く。アクセス過多でサーバーダウンしちゃうようなサイトを、女に振られた腹いせに作っちゃう程度に。

この映画での彼のモチベーションて、嫉妬なんだよね。「ふざけやがってこの野郎、俺のが優秀なんだよ!」て、プライドに任せてどんどん走っていく。

そして、凡庸な天才と成功する天才との違いは、出会いの差。嫉妬の対象と出会うことも大切だけど、一緒に仕事をする仲間がいることも大きい。彼の場合は、プログラムのアイデアを共有しつつ初期に投資してくれた友達がまずスタートとして必要だったし、アイデアの種「facebook」を一気に巨万の富の源泉に変貌させるためには、ナップスターの開発者だった天才とも会わなければならなかった。

それにしても、やっぱり、成功者って動くの早いんだよね。アイデアを形にする労力を惜しまない。この作品が楽しいのは、どんなに嫌なタイプとして描かれようとしても、「そう振舞っているだけで本当は悪い奴じゃない」(もしくは悪意の無いKY)てことと、終始、主人公が立ち止まらず、駆け抜けていくからなんだよね。

ビジネス、恋愛、友情、それぞれの紆余曲折と成果の過程は青春映画として抜群。そんな主人公の孤独感は、アメリカ映画の金字塔「市民ケーン」に重ねられる。

作品自体、ノリの良い音楽と同調しながらテンポ良く展開していくので全く飽きない。

(評価:★4)

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