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[コメント] さくらん(2007/日)

女の子の、女の子による、女の子のための大江戸お水絵巻。080222
しど

極彩色のセットは、印刷柄のベニヤ板で作ったようにペラペラで、最初のうちはその安っぽさに笑ってた。だけど、中途半端にアップばっかりで誤魔化すんじゃなく、ズームアウトして安いセット全体を安いままきちんと撮り上げ、しかも、最後まで同じ調子でやり通してるところに好感が持てた。

男性アーティストに少年ぽさがいつまでも残るように、この作品にも、女の子趣味が随所に見られる。例えそれが表面的な表現感覚であっても、物怖じせずにやり通す力量があれば、十分、見る価値がある。蜷川、安野、椎名(林檎)、そして土屋。彼女らの魅力とは、そういうところなんじゃないかと、この作品を見ていて思った。

花魁とは、女だけでは自立できない職業だし、女の子ではやっていけない仕事だ。だから、女の手練手管と女の子の夢を持って精一杯生きている。そんな清々しさが作品には満ちているし、それがこの作品に関わった女達の生き方であり、魅力なんだろう。

(評価:★3)

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