石井作品の集大成、というか、何か「最後の映画」っぽい作りです。 舞台が出身地の博多、暴力的なカッティング等の初期の雰囲気もありながら、 自然の風景などの静物映像、洗脳等宗教じみた設定、 東京ダウザーによる迫力のある効果音といった後期の作風も混在。

ストーリー展開やその進展も、「？」な印象があるのに、 なぜか納得してしまう。 水しぶきや雨の音、効果音、音楽などの鮮明さが格別。 映像が予想外に美しい。乾いた地面に雨がにじんでいく音と絵を見ていると、「雨の匂い」を感じるほどだった。あと、小嶺麗奈と戸田菜穂等女性の撮り方も、最近はあまり見ないような清潔な美しさを醸し出していた。

邦画ではあまり見ない感じの作品なので、自分の中で整理できかねてます。