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[コメント] ツリー・オブ・ライフ(2011/米)

映画全体が「主」への問い掛けであるかのような、宗教的精神世界を美しい映像とともに描いた作品で、正直、そういうのに共感のない人間としてはスゴく退屈で入り込めなかった。
Walden

映画の間中、「こういう映画ってありかな、無しかな」と自分に問いかけながら見ていた。

で、結果としては、「やっぱり、こういうのは自分としては無しだな」という結論に落ち着いた。

事前に高い評価を聞いていたので、そこそこ期待して観に行ったのだが、期待するべきポイントを間違えてしまったかもしれない。

映画の基本的な流れは、ブラッド・ピットジェシカ・チャステインの夫婦の間の長男が、成長の過程でいくつかの象徴的な出来事や両親との感情のやりとりを通じて感じる、人生のいくつかのことに対する意味と疑問が主軸になっている。その疑問を「主への問いかけ」として描き、その切実なる問いかけの精神世界を、大自然や宇宙のキレイな映像(CGとの組み合わせ)によって描こうとしている・・・のだと思う。「だと思う」というのは、正直、よく分からなかったから。

そもそも、底辺にあると思われる宗教的な精神的世界観に共感できていないので、それを描こうとしている映像美も、「美しいな」と思いこそすれ、意味を伴っては自分の胸に迫ってこない。たとえ宗教的なバックグラウンドは共有していないとしても、人生の意味を問う「問いかけ」そのものには共感できそうなものかもしれないが、なぜか、「主」に対して聞くという姿勢そのものがしっくりこない。きっとはまる人ははまるのだろうけれど、個人的には全然ダメだった。

全般的に太陽の光と音楽に支えられた、泳ぐようなカメラワークによって、ゆれる動く、曖昧な記憶の世界を描く映像美や、大自然の映像をCGと組み合わせて神秘的なものを映し出そうとする試みは嫌いじゃないのだが、何せストーリーが退屈なこと極まりない。

残念である。

2011.8.14. TOHOシネマズ 上大岡

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)死ぬまでシネマ[*]

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