コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] サイドカーに犬(2007/日)

ああいう頭突きをされるダメ親父にはなるまいと思った。
Walden

描く視点がちょっと違えば、ドロドロの愛憎劇になる構図なのだけれど、全編を通じて明るく、開放感溢れる雰囲気がある。重くなり過ぎていないところが上手いと思った。

「いい女がダメな男に惚れる」という人生の定理を背景としつつ、サバサバして自由奔放な洋子と、真面目で今ひとつ自分の殻を破れないカオルの、微笑ましい交流が明るい映像の中で描かれる。

カオル役の女の子の演技が秀逸。素の演技をうまく引き出しているのか、それとも本人の力量なのか、年頃の女の子のはっきりしない態度を見事に演じている。表情やはっきりとした動作の乏しさの中で、驚きや喜びをきちんと目の表情で出してみたり。

洋子役の竹内結子も、いつもは自由奔放な女性がふっとした折に見せる哀しげな表情や、煮え切らない男に対する苛立ちを好演している。特に印象的だったのが、あるシーンでカオルを前にして涙を堪え切れずに流すシーン。悔しさと切なさがにじみ出るような涙った。

これといって強い感動を呼び起こすような映画ではないのだけど、カオルが悩みながら書いた海辺での絵みたいに、明るく爽快な印象を残す映画だ。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。