面白い戦争アクションの条件として、敵味方の位置関係が把握しやすいということがある。本作では全然なってない。しかもみんな同じ顔してるし。判別できたのは、ユアン・マグレガーとウィリアム・フィクトナーとジェイソン・アイザックスだけでした。

でも面白い戦争アクション映画を作ろうとしたわけではないようだ。戦場の状況をリアルに伝えようとした映画だ。それには大いに成功している。

そして米軍の馬鹿さかげんも伝えたかったのだろうか。それはわからない。でもラストのテロップはいいです。

「ソマリア人は千人以上死亡、米軍は十九人の死者を出した」

オイオイ、あんだけ大騒ぎして十九人しか死んでないんかい。ソマリア人が千人死んだことを知らなければ、十九人も死んだのかと思うだろうけどね。これはアメリカ中心的思考を揶揄する視座がこの映画に存在することの証左であると思いたい。