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[コメント] 硫黄島からの手紙(2006/米)

二宮っていう人が良かったです。渡辺謙の素晴らしさは織り込み済みですが。
ハム

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







むやみやたらに死を美化しなのがいいね。これは日本人の手で作られるべき映画だったが、人を死なせて感動を盛り上げる使命を担わされているテレビ主導の最近の日本映画じゃ無理だよな。

僕が嬉しかったのは、戦争映画における「どうせ勝ち目がないなら、せめて散り際美しく」という従来の論理よりも、「死ぬのは敵を10人殺してから」という合理性が重視されていたこと。つまり「どうしてその沢山の手榴弾を自分じゃなく敵に向かって投げないんだ?」という素朴な疑問に立ち返った映画なのである。米軍に比べて、末端の兵士や有能な指揮官を無駄遣いする日本軍のメンタリティは現代においても持続している。60年たっても、人の命も気持ちも合理的思考を大事にしない社会なのである。

距離感を維持しながら人物の感情を描く場面や、人間が本質的に負わざるを得ない残虐性、といったイーストウッドらしさはなかったが、それはまあよしとしよう。

(評価:★5)

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