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[コメント] スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐(2005/米)

●ダークサイドへ落ちた理由とパラドックス ○色即是空 空即是色 (以下 EP1〜6に関するネタバレ有) 
fufu

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







本作の出来 としては… 自分の予測と"想定内"と言えば"想定内"の範囲なんだけど、、

正直… 27年間ひたすら待っていたスターウォーズ/フォースの秘密はこんなもんだったんだ… と落胆したことは否めないです。

期待していた、オビ=ワンとアナキンとの戦い・・ これも、もう少し 様々な葛藤があるような気がしていました。 あまりにストレートだったので、スクリーンの迫力以外は拍子抜け。 もっとも、義手というハイテク技術に命を救われた・・ というのは CGを駆使するルーカス監督を象徴しているようで、深い部分も感じましたが・・   ※ 溶岩の上が、なんとなーく「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」を連想してしまったのもマイナスポイント

長年 フォースに神秘性を感じていた スターウォーズ ファンとしては、泣けたよこりゃ・・

ラスト 惑星 タトゥーインのシーンのみが、アナログちっく? で 唯一ほっと出来たシーンだったかも・・

…とまぁ、期待値が他の映画に比べ 極端に高すぎるので辛口コメントとなりましたが… 字幕スーパーと日本語吹き替え版と2度観に行きましたよ。(*^_^*) やっぱ好きなんですね〜(笑)

  ●ジェダイを全滅させたダースベイダー(アナキン)

EP4で語られた、ジェダイを全滅させたダースベイダーというフレーズに、 ものすごい強大な力を、妄想しておりました。。 いやホント・・f(^ー^; 

 ・・ が、、滅ぼした・・ って  アナキンが手を下したのは・・・   主に ジェダイの "子ども達"の事だったんすね。。      ああ〜〜・・ (T.T) 幻滅・・

オビ=ワンとダークサイドに落ちたアナキン=ダース・ベイダーとの最後の戦いでも、力の差は小差。 オビ=ワンの力が若干勝ってた様にも受け取られましたし? ・・結局、シリーズ中 一番強いフォースを持っていたのは、ルークだったのでしょうかか??? なんだかなーー・・ 釈然としません。。。

もっと アナキン(ダースベイダー)の "フォース"に対して神秘的な強さ想像していました。

 そのあたりが、少々落胆した部分です。    それと、ダークサイドに落ちる描写。  ※ 否定はしないけれど、心理的描写が弱いように感じました。

  ●ルークとレイアは 何故別々に

そのまんま想定内でした。 ひねりなさいっ。  特にレイア姫は、EP4で 母の面影をルークに話すシーンがあるんだけど、 この時語る"母"は、"育ての母"ということが決定・・ 悲しい・・(T.T)

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 EP4 で--- レイアの話によると、レイアのお母さんは、子供の頃に亡くなっているとか。 面影としては、きれいでやさしいけど、沈んでいた、、と、語っています。   ※ アミダラは惑星ナブーの女王。 レイアはオルデラーンの姫。       オルデラーンは、デススターの試し撃ちの標的にされた惑星です。

 EP6 で---  オビ=ワン(精霊?の声)では、 「生まれてすぐ、2人(ルーク、レイア)とも父親から離したのだ。   皇帝が狙っていた。  アナキンの血を引くものは、帝国の脅威だからな。」      とのこと ・・・ -------------------------------------------------

  ●ジェダイとダークサイドのフォース

本当にダークサイドのフォースは悪なんでしょうか? EP3では、そんな根本的な事まで考えてしまいました。 その点は、高評価して良いと思います。  ジェダイは、怒ること、憎むこと、執着することはダークサイドへ繋がるため悪とされています。 それ故、ジェダイ達は、愛することも結婚することも禁止されています。(EP2より)

しかし 本当にそれは正しい教えだったのでしょうか? 愛を知ったが故に、ダークサイドに落ちたアナキン… 彼の心には、"善" は 確実に残っていたと思うのです。

  ●善 → 禅

禅の教えに、こんな事があると、聞いたことあります。  (*以下聞きかじり_(_^_)_)  フォースで言う "ダークサイド" とは ひょっとしら 禅で言う"魔境"の事ではないでしょうか?

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魔境とは  :  禅の修行のように、食うものも食わず長時間極限状態にいると、 光が見えたり幻聴が聞こえたりすることがある。 修行の足らない者は、これで自分は “解脱” したと勘違いする。 しかし 禅の教えでは、これは単なる「魔境」であり軽く受け流すように、と説いてい る。

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それならば、一度ダークサイドを見て、その後 そこから抜け出た者は 全ての フォースの極意を極めたマスターの中のマスター となる可能性はないでしょうか? そうなると、EP6のラスト… アナキンがそこに立っていられた理由もうなずけます。

  ●姿が消えたジェダイの謎

EP4〜6では、オビ=ワン とヨーダは、死んだ(?)時に、姿が消えますよね。

ひとつだけ、分かった(ような分からない)のは、台詞でしか説明してないけど、 どうやらクワイ=ガンが身につけた "黄泉と交信する技(フォース?)"があるようだ・・?  ということは、EP6のラスト、 アナキン もヨーダやオビ=ワンといっしょに精霊みたいな形で登場してますから、 アナキン(またはダースベイダー)もいつか 学んでいたのかしら? パドメの命を救うとされるダークサイドの技?フォース?も、 (本当にそんな技があったのなら)その技に 関係あるのかしら??

 ●ダークサイドへ落ちた理由とパラドックス

暗黒面(ダークサイド)に どうやって誘われたのか? たしかに、パドメの命を救うためだ!  と言われれば正当な理由となり得るし逆らえないんだけど・・  パルパティーンの "口八丁手八丁"という面も否めない・・  口だけは優秀なベテラン悪徳業者に騙され高額商品を買わされて、 一家を破産させた学生のようにも感じます。… 喩えが悪いですが(笑)

 ↓映画を観て、少し間をおいてから、 冷静に・・ 何故アナキンが、ダークサイドに落ちてしまったのかを考えてみた・・

 〜発端〜   アナキンは、パドメが出産で死ぬ予知夢を見るようになります。アナキンの母(シミ)が亡くなった時も、アナキンは予知夢に苦しめられた。 〜とても嫌な予感がします・・

パルパティーン(シス)は、"何故か" その予知夢の事を知っていて 「ダークサイドの力を学べば パドメの命を救える」 と言う。 命を救えるのが本当なのか嘘か は、言葉だけで語られてるので解りませんが・・ あるいは、パルパティーン(シス)の策略だったのかも?? という"疑惑"が (ぼく的には) 今 ふつふつと・・わき起こってます。。。。

が、実際・・  パルパティーンに、そう言われ そそのかされた事が発端となり、 アナキンはダークサイドに落ちてしまいます。

愛する人を救いたいがために、ダークサイドに落ちてしまう訳です。 とても切ないです。(T.T)

が しかし パドメは、大きな外傷は なかったのですが、 アナキンがダークサイドに落ちた 心理的ショックから生きる力を失う訳で・・ もし、アナキンがダークサイドに落ちなければ、命を失う事はなかった。

そんな パルパティーン(シス)の口八丁に乗ってしまった アナキンも愚かですが、 そこまでしたのに、愛する人を救えなかった事を知ったアナキンの嘆きは、想像を絶する。 哀れでもあります。 若気の過ちとでも言うのでしょうか? せっかく得た ダークサイドの強力な力(?)も使う時はなかったかもです。?

EP4〜以降のダースベイダー(アナキン)は、そういった苦悩があったのでしょう・・・ 

 ノォォォォォ〜〜〜!!!!!!(叫ぶ

 ●アナキンの出生は?

聖書がモチーフだと思うのです、アナキンは処女懐妊?とされています。(EP1)  「フォースに調和をもたらすため」生まれたアナキン。 結局、父は誰だったのか。 あるいは、誰かシスの手により ミディ=クロリアンの操作で生まれた命だったのでしょうか? これは、永遠に謎のままとなりました。 それと 普通に考えればシミがアナキンの実の母なのでしょうが・・ それも明確ではない(かも?)

もし、父がいるとすると、一番可能性の高いシスは・・  パルパ○ ・・ ん〜〜〜??? ということになり・・ EP6で ダースベイダー(アナキン)がシスを原子炉に投げ落とす行為がとんでもないことになってしまうので・・ 考えたくないけど・・・ これまたパラドックス?

 ルーカス監督へ・・ 「エピソード0」 アナキン誕生のエピソードは 製作して欲しいよ。

 ●とどめをささなかった オビ=ワン

溶岩の前での、オビ=ワンとアナキン(*すでにダース・ベイダーと改名)の戦いで、 ここで"サムライ"ならば、虫の息となった(元)アナキンに、 もう これ以上 苦痛をあたえないよう "武士の情け"と ひと思いに "とどめをさす" と思うんです。

が、オビ=ワンは、それをせず(出来ず?)去って行きました。 アナキンは亡くなったと思い、形見のライトセイバー(青)を持ち帰ります。

結果 アナキンは、"黒ヘルメット姿"のダース・ベイダーとなって蘇り  将来(EP6) "フォースに調和をもたらす"ことになるわけですね。。。。なんという運命なのでしょう・・(T.T)

EP4で、オビ=ワンが 黒ヘルメットのダース・ベイダーは アナキンだ=アナキンは生きていた。 と分かったのは、どの時期だったのかしら? (それとも、EP3の直後 すぐに ダース・ベイダーという名前で気がつくのかしら?)

もう一度 シリーズを 観直さなければ・・f(^ー^;

  ● 色即是空 空即是色

あれこれ 振り返って書いていて・・ 気が付いた! スターウォーズの世界は 「色即是空 空即是色」 では ないかしら!

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 (広辞苑 第五版より)

しき‐そく‐ぜ‐くう「色即是空」  〔仏〕[般若心経]色シキとは現象界の物質的存在。そこには固定的実体がなく空クウであるということ。

くう‐そく‐ぜ‐しき「空即是色」   [般若心経]固定的実体がなく、空であることによってはじめて現象界の万物が成り立つということ。

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思えば、スターウォーズ EP4→5→6 → 1→2→3 の歴史は、 既成概念崩壊の歴史でした。 "善"と信じていたものが、"悪"であったり、また その逆であったり・・・ EP4〜6 では フォースに神秘性を感じていたけれど、 EP1〜3では その神秘性がどんどん薄れて行くようでした。。。

EP4--- "機械"に頼っていてはいかん。 "理力(フォース)"を信じろ!

EP5--- フォースを信じ 修行をするルーク。 "絶対悪"と信じていたダース・ベイダーから 父であると告白される。

EP6--- フォースに調和をもたらす。

EP1--- ルーカス監督、CG技術の進歩により製作開始。  聖書からのモチーフか? アナキンは 処女懐妊で生まれた、 フォースに調和をもたらす存在である。 フォースという神秘的な現象は、精神的なものではなく、ミディ=クロリアンなるものの現象らしい?

EP2--- ほとんどのシーンがCG化される。 フォースの力が神秘的な力というよりも、CGだよあれは・・(T.T) >>ヨーダの動き等

EP3--- ほとんどが、CGによる製作。 "フォース"に神秘性がなくなったように感じます。 オビ=ワンがグリーヴァス将軍を倒したのもライトセイバーではなく、銃でした。 皮肉にも ダース・ベイダーの命を救ったのも、生身の体やフォースではなく、"機械"の腕だった。

加筆していたら 長文となってしまいました _(_^_)_  2005/07/11記  (07/14加筆)

(評価:★3)

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