[コメント] アンジェラ(2005/仏)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
自分に自信がなく、ぱっとしない人生をおくっている...どん底の人生? 映画じゃあるまいし、そんなにひどくはない。けど、出口なんか見えない。「幸せ」って、どういう意味だったろう...?
日々生きてることが疲れる。疲弊の上にレールを敷いたような日常。そんな生活を送っている者には、そこから抜け出す方法もわからない。
「幸せになる」には、一番最初に「幸せになろうとする」ことが必要で、案外、それを忘れている人たちが多い。私もそうだ。「明日」になっても殺されるようなことはない。だけど、「明日」は単に時間の経過でしかない日常。明日も生きているだろう。だけど、なんにも変わらない。
「変わらない」は、いつか「腐っている」に転換するだろう。いつ知れず、自らにもわからないところから、だんだんと腐っていく。腐っていることにすら気がつかない。
たったひとつ。「幸せになろう」という姿勢が人を支える。
リュック・べッソンは、照れ屋なのか、主義なのか、お国柄なのか、ストレートにそういう話を描いてこない。『レオン』でもそのように感じた。少しライトに描いてみせる。その辺の感じは、見る側の好みの分かれるところだろうけど、私には微妙なところで許容範囲に収まっている。嫌いじゃない。
「ファンタジー」、「おとぎばなし」と言ったようにとらえると(私は、「大人のファンタジー」とか言った言い方が嫌いです)、とても中途半端だし、"特撮"のどーでもよさが目につくだろう。でも、そういう映画じゃないよね。リュック・べッソンが照れてオブラートに包もうとしたのは、彼や彼女の行動や結末じゃなくて、腐って行く日常の悲惨さの方。
エンディングも「だから?」で終わらせてる。「彼女がいること」が「彼の幸せ」じゃない。「彼女がいること」で「幸せになろう」と思えることが大事なんだよ、きっと。
読みすぎ?
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