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[コメント] ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019/米)

ハリウッドらしいスケールで描かれる陳腐な人間ドラマ、その背景でタイタン(怪獣)たちが大暴れ。
ワトニイ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







これはこれで大作なのだろうが、日本の怪獣映画に親しんだ目には違和感しか感じられなかった。

日本の怪獣映画では、ゴジラやモスラは人智を超えた神聖な生物として描かれることが多かったが、この作品では人間が制御し、支配し得る対象として描かれていたため、作品世界の中での存在感が小さく、脇役に思えてならなかった。ちょうど竜巻とか火山の噴火を題材にしたパニック映画のように。

こうした背景には、ローランド・エメリッヒの『GODZILLA』のレビューにも書いたように、西洋的な自然観と東洋的な自然観の差異があるように思う。どちらが良いという訳ではないが、慣れ親しんできた本家の怪獣映画を観て育った私には、これは怪獣映画とは異質のパニック映画のように感じられた。

また、東宝の怪獣映画に比べると、鋭角的なビジュアルになってしまったモスラも大して活躍しないし、ラドンに至ってはキングギドラにへりくだる卑怯者として描かれているし、肝心のゴジラも存在感が薄く、何度やられても根性で強大な敵に立ち向かっていく週刊ジャンプの主人公のようだった。

(評価:★3)

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