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[コメント] (ハル)(1996/日)

登場人物の心の移ろいが台詞ではなく,パソコン通信の文字で表現される不思議さと新鮮さ。サイレントに近いようでいて,少し違う。それにしても何とも寂しい映画だ。
ワトニイ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 この作品で面白いと思ったのは,物語の進行にかかわりのある大事なことが

すべてメールの文字で表現されていて,役者のセリフの方は,どちらかというと

周辺的なことばかりであるという点。

 ちょっとサイレント映画を思わせるようだけど,大きく違うのは,文字で表現されるのが

個人の内面であり,微妙な感情の動きであるという点だと思う。

 そう。文字とセリフが逆転しているのだ。

 それにしても,主人公たちを描くときの生活感のなさ,リアリティのなさは,

良し悪しは別にして,この作品の大きな特徴だと思う。ヴァーチャルな題材を描いている

からだろうか。ただ,それがこの作品をとても寂しいものにしていることは確か。

 この後,主人公2人はうまく行くのだろうか?

 チャップリンの『街の灯』と同じ様に,映画自体は一見感動的な終わり方だけど,

冷静になって考えると,この後の2人の行く末は,結構皮肉な結末になる可能性も大きいのではないだろうか?

(評価:★4)

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