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[コメント] 太陽がいっぱい(1960/仏=伊)

十数年ぶりに観て再発見がいっぱい
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







2度の殺人、葬儀、必ず死体の後に物を食うシーンがある。 これは死に対する生の象徴なのであろう。 そう考えれば、中盤、アラン・ドロンが無意味に市場を歩くシーンも生きるための次の手段を思案していると解釈できる。(昔観た時は金持ちになったことの表現だと思っていた)

彼に降り注ぐいっぱいの太陽の日差しは、苦労して手に入れた希望の光の象徴。 だから『リプリー』なんてタイトルじゃ意味がない。

かつての名匠もヌーベルバーグの波に押され、ゴダールやトリュフォー達に「いつまでも古臭い映画撮りやがってこのジジイ」と言われ、「この野郎、今に観てろ」とフランス語で言ったかどうか、ヌーベルバーグ御用達のカメラマンアンリ・ドカエを迎え起死回生の一作。

どうしてもアラン・ドロンニーノ・ロータの音楽に気が行ってしまうけど、 ルネ・クレマン最後の傑作で、本当に総てに計算され尽くした気合の入った演出だったのね。 (だってこの後はB級サスペンスばっかりなんだもん)

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (10 人)緑雨[*] Shrewd Fellow けにろん[*] ジェリー[*] 甘崎庵[*] 町田[*] らーふる当番[*] ビビビ[*] ぱーこ[*] のこのこ

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