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[コメント] パリは燃えているか(1966/仏=米)

ルネ・クレマンの「いっぱい」シリーズ。「将軍がいっぱい」
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







凄い撮影してるんですね。もちろん本物のドキュメント映像も混じってますけど。どんだけエキストラ使ってんだよ。てか、街なかで銃撃戦の挙げ句戦車戦やってるよ。すげーな。

「海外版忠臣蔵(年末特番オールスター)」(byはしぼそがらす女史)以上にこの映画を的確に表現したコメントは書けないんですが、少し真面目なこと書きますね。やんややんや。

ちょうどNHK「映像の世紀」を観て、立て続けにCSで鑑賞(ちなみに「映像の世紀」の加古隆によるテーマ曲は「パリは燃えているか」という曲名)。 こういう鑑賞法はよくない。映画そのものよりも他のことを考えてしまう。

冷静に考えると、終戦からわずか20年くらいで作られた映画なんですよね。当時のフランスの観客にはまだ生々しい記憶だったはずです。アラン・ドロンもジャン=ポール・ベルモンドもパリ陥落時代のフランスを生きている。

そしてこの映画が製作されたのと同じ1966年にイタリアで『アルジェの戦い』が公開されています。フランスの圧政に抵抗するアルジェリアのレジスタンスの話です。アルジェリア戦争終結からわずか4年。それも「ファシズム」という言葉を生んだイタリアで。当然『アルジェの戦い』におけるフランスは、『パリは燃えているか』のナチスと同じ扱いになります。

いやもう、なんだか分かんないよ。世界は廻っているんだ。それだけは分かる。だけど「今」自分のいるポジションがどこなのか分かんない。歴史から学ぶところは多くあるはずなのに。

アルジェの戦い』だって見方によってはテロリズム賛歌に見えるし、『ウィンストン・チャーチル』だって見方によっては独裁者だ。 そしてこの年末オールスター特番『パリは燃えているか』は、どこかしら戦勝国のゲーム感覚が垣間見える。あ、脚本にコッポラが名を連ねてる。脚本がアメリカ人だからかもしれないな。でも女性を撮ると急にルネ・クレマン。フランス映画の香り。

余談

今回気付いたんだけど、アンソニー・パーキンスとジョージ・チャキリスの見分けがつかない。 (18.06.16 CSにて鑑賞)

(評価:★3)

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