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[コメント] ラッシュ プライドと友情(2013/米=独=英)

エキゾーストノートの向こうにあるウサギとカメの物語。現代史を描く時のロン・ハワードは信頼のブランド。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私がF1にハマってたのは、この映画の時代より少し後。晩年のニキ・ラウダとチャンピオンシップを争ったアラン・プロストが「プロフェッサー」と呼ばれるようになり、アイルトン・セナとタイトル争いするようになった頃。いわゆる日本のF1ブーム期。 この映画の時代は、日本ではスーパーカーブームとF1がゴッチャになってたような気がする。当時小学生の私の部屋には、ランボルギーニ・イオタのポスターとティレル(当時日本ではタイレルと呼ばれていた)の6輪車(P34)のポスターを貼ってたと記憶してるもん。てか、F1より「サーキットの狼」の方が有名だった。

劇中の台詞にもあるように「おもちゃ好き」の男の子としては(<もうオッサンじゃ)感慨深いものがあるよね。 富士スピードウェイは高速サーキットなんだよねーとか、ジェームス・ハントのイメージトレーニングで出てくるモナコ(モンテカルロ)は超テクニカルコースでF1で唯一トンネルがあるんだよねー、あのトンネルで加速するんだけど実は緩くカーブしてるの、とか語りたくなっちゃう。てか、語った。 ああ、そうか。映画観てる時「モナコのトンネルの件とか語りたくなるよね。だからイメトレで登場させたんだよね」と思ってたんだけど、よくよく考えると(そして調べると)、この映画の頃、モンテカルロサーキットは大改修して間がないんだよ。だからイメージトレーニングがモンテカルロなのは必然だったの。あー、語った語った。

私の思い込みかも知れないが、『アポロ13』や『フロストニクソン』などを見るに、こうした現代史を描くときのロン・ハワードはいつもより冴えた手腕を発揮するような気がする。元が巧い監督なのだが、いつも以上に、物語や人物の切り取り方が冴えているように思える。 おそらく、ま、勝手な推測だが、同時代を生きた人間として、時代の空気感や登場人物の感情に、監督自身がより強く寄り添えているのではないだろうか。

この映画、この年のグランプリ自体が激烈だったこともあるが、そのエピソードの切り取り方と人物の感情の切り取り方が実に秀逸だと思う。

なんだよ、映画の感想よりF1語ってる方が多いじゃねーか。ヒドい感想だな。

(14.02.02 ユナイテッド・シネマとしまえんにて鑑賞)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)緑雨[*] セント[*]

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