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[コメント] 冷たい雨に撃て、約束の銃弾を(2009/香港=仏)

森を見ずに木を見て楽しむディテール映画
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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北野武が『アウトレイジ』に関して「先に殺し方を考えて、それに合うシチュエーションを考えた」と言っているのだが、この映画もたぶん同じなんだと思う。 ディテールが先にあって、それに合わせてシチュエーションを決めているように思える。 いや、ディテールを活かすためのシチュエーションという方が正しいかもしれない。警察なんか早々にどこかにいっちゃうしね。 「木を見て森を見ず」とは悪い意味で使いますが、この映画はその“木”が圧倒的で我々も好意的に受け入れているから、多少“森”がゆがんでいても“味”なんですな。 楽しいです、この映画。

私が感心したのは「食事」と「銃の撃ち方」。

食事は、大きく3度扱われていたと思います。 「1.主人公が仲間に手料理を振舞う」 「2.バーベキューの差し入れを断る」 「3.島の大家族に世話になる」。 これら食事シーンが、仲間との距離の象徴であることはクドクド書くまでもないでしょう。

また、銃の撃ち方が、意外に「これ見よがし」でないんですね。 娘の銃の構えは腕をピンと伸ばし“銃を構えてる”って感じなんですね。 でも他の男達は何事もないように自然に銃を撃つ。昔の西部劇みたい。 いかに銃を扱い慣れているかというディテールなんでしょう。

(10.06.06 新宿武蔵野館にて鑑賞)

(評価:★3)

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