結末はどうでもいい。そこに至る過程（＝二大女優対決）こそ見どころだし面白かった。しかし、「大人の恋愛」と呼ぶには結果として浅い気がする。

期せずしてドパルデュー＆アルダンと言えば、トリュフォーの『隣の女』コンビ。 そしてトリュフォーと言えば「大人の恋愛」。トリュフォーの見せる「大人の恋愛」は本当にムツカシイ。『終電車』とか極致。理解不能な得体の知れない何か凄いものを突きつけられ、ただたじろぐしかない。 本作のような「理に落ちた」話は「大人の恋愛」とはほど遠い。元来恋愛は不可解なものであり、それに分別のつく大人がはまってしまうのだから「超不可解」なのだ。 （今、これを継承しているのは『まぼろし』のフランソワ・オゾンだと思うのだが、それはまた別の機会に）

『デブラ・ウィンガーを探して』でそのイカレっぷりに卒倒して以来、エマニュエル・ベアール御贔屓なのだが、その艶っぽさといい、ファニー・アルダンの眉間の皺といい、立ち姿だけで絵になる女優達だなあ。

ところで、今、フランス男優ってドパルデューしかおらんのか？あ、日本の役所広司みたいなもんか。